ソーチェンの目立ては今までも何度か書いていますが、今回も少し書いてみます。
下の写真をご覧ください。

かなりダメージがあると思います。

赤い線のところまで削り落としてやらなければなりません。
ソーチェンは高速で回転しているので、石や釘などに一瞬でもあてるとほぼすべてのカッターにダメージがあると思ってもいいです。
この写真はソーチェンを拡大しているので、ダメージの度合いがはっきり見えると思います。
しかし、実際のソーチェンはすごく小さいです。
目が悪い方などはダメージの度合いが良くわからないかもしれません。

本来のソーチェンのサイズはこれくらいです。
私は良くわからないのです。
ですから道具を使用しています。
ルーペです。時計の修理などで使用するものから、科学捜査班が使用する蛍光灯付きの拡大レンズなどです。
目立てがうまくいかないという方は、まずソーチェンを拡大してどういう状況か確認してください。
どこまで削り落とさなければならないのか。
それがわかれば、目立ての道具を使って削り落としていけば必ず切れるようになるはずです。
デプスも確認してください。
ダメージがひどければ、販売店などに目立てを依頼してもいいと思います。
手間と使用する丸やすりの本数を考えて決めればいいと思います。
または、電動目立て器などを使用することもいいかと思います。
ただ、電動目立て器などはうまく使わないとソーチェンに焼きを入れたり、切削角などがでたらめになったりしてソーチェンをダメにしてしまうこともあるので注意してください。
電動目立て器による焼きについて、
下の写真をご覧ください。

黒く変色していますが、これは焼きではありません。
ソーチェンに付着しているヤニやオイルなどが焦げたものです。
下の写真は裏から見たところです。

ヤスリで削ったところは、変色していません。

これはわざと焼きを入れてみました。
青紫色に変色しているのがわかるでしょうか。
このように金属が変色するくらいになるとかなり熱が加わっています。
ソーチェンはカッターの外側にメッキがしてあります。
そのメッキが硬く木を切るところになります。
たぶんここにも熱が加わり、柔らかくなってしまいます。
当店に入ってくるソーチェンの目立てはダメージがひどいものばかりなので、かなり削り落とさなくてはなりません。
一度に削り落とすと焼きが入ってしまうので、少しずつ削っています。
電動目立て器を使用しても時間をかけています。
(USG電動目立て器の使い方もうまくなってきたと思います。試行錯誤しています)
当店で目立てしてもヤニなどの焦げは付きますが、焼きは入っていないと思うので安心してください。

この写真はヤニも付かずきれいです。
それはワイヤーブラシでヤニや汚れを落としたからです。
このチェンにも汚れがこびりついていました。
汚れが付いているとダメージの度合いがわからないので、ワイヤーブラシなどで汚れを落とします。
全部のカッターの汚れを落とすのは大変なので数か所汚れを落とします。
そしてダメージの度合いを確認して、どれくらい削り落とすか判断しています。
電動目立て器で目立てをするのは簡単そうに思えるかもしれませんが、きちんとやると意外と手間がかかります。
目立てについては出木杉さんのブログでわかりやすい記事がありますので紹介いたします。
▼出木杉さんポイントを押さえて道具を使えば、大体うまくいくと思います。
私が最近重要だなと感じるのは、刃をよく見るということです。
(拡大レンズで見なければ見えなくなりました・・・)
それではまた。
目立てに関しては、千田さんや出木杉さんがチェンの拡大写真で詳細に説明してくれたおかげで、なぜそうしなければいけないのかということが、多くの方に伝わったと思います。
(私自身もよくわかりました)
今まで目立ての道具を使うにしろ、道具の当て方や持ち方、角度を説明するだけだったと思います。
なぜ?というところが、理解できれば上達は早いと思います。
またいろいろと教えていただければ幸いです。