エアフィルターについては今までたくさん書いてきましたが、今回もまた書いてみたいと思います。
最近は、メーカーさんもこのブログを見てくれていると聞いたので、メーカーさんへもメッセージが届いてくれることを期待しています。
エアフィルターは日常のメンテナンスで必ず点検するところだと思います。
エアフィルターのメンテナンスは比較的簡単で機械に詳しくない方でもできる部類のメンテナンスだと思います。
ただ、簡単だからと言っていい加減に行っていいというメンテナンスではありません。
ポイントを押さえたメンテナンスをしなければなりません。
今まで数多くの修理をしてきて実感しています。
いい加減なエアフィルターの洗浄点検取り付けをするくらいなら何もしないほうがいいという場合もあります。
それではいろいろなケースを紹介していきたいと思います。
スチール旧タイプの国産OEM刈払機です。
一般的なエアフィルターで当時としてはいい部類に入るエアフィルターだったと思います。
ただ、どんぐりの背比べと言われれば否定できませんが・・・(笑)


エアフィルター内側の汚れ尋常じゃないと思うでしょう。

実はエアフィルターを紛失したようで、エアフィルターをスポンジで自作していたようです。
エアフィルターの機能は果たしていないようでした。残念。
エンジンは動きますが、どれくらい摩耗劣化したかはわかりません。
しかし、動いたのでまだよかったと思います。
次は、背負い式ブロワのエアフィルターです。
とりあえず、見てください。






すごいでしょう。
厳しいことを言うかもしれませんが、機械のことがわかっていないといえるかもしれません。
林業、造園機器においてブロワが一番エアフィルターが重要だと私は思っています。砂埃が舞いますし、エンジンはほぼフルスロットルで使用します。
今回は砂埃のダメージもあったでしょうが、それ以外にもひどいことが・・・

矢印部分。

白い繊維が絡まっています。
エンジンは焼き付いていました。
エアフィルターとエアフィルターカバーを紛失した場合は、その機械の使用は中止するべきでしょう。
焼き付きを起こさないにしても、耐用年数機械の寿命は確実ぬ短くなっているでしょう。
仕事が忙しい場合でも使用はやめたほうがいいと思います。
壊れてもいい覚悟があれば・・・
どんな機械でも壊れますし、寿命を迎えます。
しかしこういう壊れ方は少し悲しいです。
このブロワはエアフィルターもエアフィルターカバーもネジ止め式でした。
外れにくいと思いますが、後期型はネジを上下2個に増やしていました。
気が付いた時点ですぐに後期型のエアフィルターシステムに変更しておけば、焼き付きは防げたと思います。
ここでメーカーさんへメッセージです。
外れ難いエアフィルターがいいと思うのですが。
ネジ止め式のガッチリ取り付けできて、少々のことでは外れ難いもの。
手軽に取り付け取り外しできなくてもいいと思います。
工具を使用しなければメンテナンスできくてもいいと思います。
手軽にメンテナンスできることを売りにして、外れやすくなり故障するほうが良くないと思います。
エンドユーザーさんは手軽にメンテナンスできる商品を望んでいる場合もありますが、ここは修理もできる販売店に任せてください。
なぜ、メンテナンスしにくいか。その訳をきちんとエンドユーザーへ説明して、メンテナンスしにくさを利点としてアピールします。
メンテナンスのしやすさだけがアピールポイントではないと思います。
メンテナンスが面倒でも耐久性を優先するユーザーも多いと思います。
次は国産大排気量刈払機です。
国内で販売されている刈払機は排気量40ccのものが最大です。
ただ、国産機の大型刈払機はエアフィルター部が少々貧弱です。

一般的な小型中型刈払機と構造的には同じものです。
他の国産機も形状は違いますが、スポンジ式のエアフィルターです。

この刈払機はスポンジが少し大きいです。

エアフィルターよりも内側にはゴミが進入しています。
大型刈払機としてはこのようなスポンジ式のエアフィルターシステムでは能力不足だと思います。
大型刈払機はナイロンカッターを使用することも多く、砂埃などのゴミが舞い上がります。
それを吸ってしまいます。
下手をすると1~2年で圧縮がなくなってしまいます。
エンジンの寿命は短くなるということになります。
当店では、ナイロンカッターを多用するお客さんの機械のエアフィルターを強力なものに変更したりします。

分厚く目の細かいスポンジ2個のエアフィルターのものです。

砂埃をかなり吸い込んでいます。
外側のエアフィルターは汚れています。
内側のエアフィルターはそこまで汚れていません。

内側と外側のエアフィルターも劣化の仕方に差があります。
これでも、エアフィルターの内側にゴミは進入していきます。


こんな感じです。
標準のエアフィルターからすれば、ほとんどゴミの進入はないといえますが、入り込んでいます。
これがナイロンカッターで巻き上げられた砂埃だと、少ない量でもダメージはあります。
刈払機のエアフィルターでお勧めのものはスチールFS200のものです。

このエアフィルターはいいです。
以前にもこのブログで書いていますので詳細は、右上の検索窓でFS200と入力してみてください。
ただ、ポイントを押さえたメンテナンスをしなければいくらいいエアフィルターを使用していてもゴミの進入を許してしまいます。

FS200刈払機のエアフィルター内側です。
ゴミがたくさん進入しています。
本来はゴミの進入は全くと言っていいほどないのですが・・・
メンテナンスの仕方が悪かったと思います。
スチールFS200はなかなかいい機械だと思います。
メーカー在庫も残り少ないかもしれません。
後継機種はすでに発売されています。
FS240という刈払機です。
こちらのエアフィルターも紙フィルターで強力なものがついていたので安心しました。
新型エンジン搭載でパワーアップ、排気ガスもクリーン、燃費も良くてGoodだと思います。
ただ、質量が大きくなりました。国産刈払機と同じように7?を超えてしまいました。
FS200は大型刈払機にしては軽量で6.3?耐久性もあり、信頼性が高い刈払機です。
パワー、耐久性、軽量を求めるならばFS200はなかなかいい刈払機だと思います。
いつも言うように完璧な機械はありません。
FS200にも欠点はありますし、使い方に注意もあります。
その説明は各販売店にお任せすることにします。
機械にはいろいろな癖というか各機械に固有の注意点があると思います。
修理ができるお店は、数多くの修理をこなしてきているので各機械のいいところ弱いところがわかっていると思います。
自慢話になりますが、私は修理しながらいろいろと考えています。
なぜこうなるのか、対策するにはこうすればいいのではとか。
(こういう時、自分は日本人だなあと感じます)
日本の製造業や町工場で働いている人たちは世界に誇れると思っています。
「改善」という意識、どうすればもっとよくなるか。
高度成長期から今に続くDNAだと思います。
決して優秀な経営者の力だけではないと思います。
今の若い人にも「どうすればもっと良くなるか」という考えることを忘れないでほしいと思います。
話が横道にそれてしまいました。
エアフィルターに関してはまた後日続きを書きます。
それでは。
スチールは小型ブロワにも紙フィルター方式のエアフィルターを付けてきています。
共立も中型プロ用チェンソーにコンパクトな紙フィルターを取付けています。
これから少しずつ変わっていくのではないでしょうか。
私もメーカーさんへはアピールしているのですが、なかなか変わることはありません。(笑)
やはりコストアップにつながるとエンドユーザーが離れると考えているようです。
今の流れは安いことが一番という風潮があるような気がします。
メーカーばかりの責任ではなく販売店にも少なからず責任があると思います。(笑)
それではまた。