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ゼノアBC4410刈払機修理


BC4410刈払機の修理です。
排気量40ccで国内流通している刈払機で最大排気量でしょう。




今回は故障個所を見誤りました。
スターターロープを引いてシャカシャカ音がしたので、焼き付き、ピストンシリンダーにガッツリ傷がついているかなと思いました。

なぜ簡単にそう思ったかというとこの刈払機はナイロンカッターをガンガン使用する刈払機として使われています。

すでにほかの同じ刈払機も砂埃でやられていたので、これも同じかと思ったのです。

エアフィルターの内側も砂埃がすごいです。


この形状のエアフィルターでスポンジだと作業内容によってはほとんど意味がない・・・とは言いませんが・・・


砂埃=研磨剤


キャブレターのベンチェリー


今回は少ないほうです。いつもはもっとすごく砂埃が入り込んでいます。

これを見てピストンシリンダーを分解することにしました。

砂埃でピストンがやられているかベアリングがやられているか。
ベアリングがやられていると予想していたのですが・・・

分解してみるとベアリングには異常なし、ピストン摩耗していましたが、音がするくらいの傷はついていませんでした。

あと考えられるのはクラッチ。
クラッチが悪い時の症状がなかったので違うと思ったのですが・・・

なぜその症状がなかったのか、後程わかるかと思います。

クランク室には砂埃が入っていたので、きれいに洗浄しました。
シリンダーもピストンもきれいにして組み立てました。




クラッチシューがひどいことになっていました。


ライニングは影も形もありませんでした。


クラッチシューはアルミの金属部分まで削れてしまっています。

BC4410刈払機のクラッチシューはナイロンカッターをガンガン使うと1年持ちません。
ゼノアの名誉のためにも言いますが、国産他社も同じです。

スチール大排気量刈払機はクラッチシューが焼結タイプ(チェンソーと同じタイプ)で耐久性は段違いです。
同じ使用環境でも4~5倍以上は持つのではないかと思います。
(もっと持つと私は思っています)

焼結式のクラッチシューは重量増になりますが、このクラスの刈払機には耐久性を考えて焼結クラッチを標準装備してもらいたいです。

国産大排気量刈払機を使用している当店のお客さんはほぼすべてがクラッチシューで悩んでいます。


クラッチドラムの内側には融けたクラッチシューのアルミが付着しています。
クラッチシューがアルミだったのでクラッチドラム自体は摩耗が少ないと思います。

そのまま使用することにします。


見比べてください。


ライニングがなくなってさらに摩耗していると思います。




ライニングがなくなるとクラッチは滑るので摩擦熱が発生します。

熱でクラッチスプリングが伸びてしまっています。

クラッチシューの素材をアルミにしたのは滑りにくいからなのでしょうか?
以前は鉄でできていたような気がします。

どちらにせよ滑ると摩擦熱が発生します。
この摩擦熱はイグニッションコイルにも悪影響を与えてしまいます。

ナイロンカッターを使用する場合はクラッチシューがすぐに摩耗するということを頭の片隅に置いておいてください。

これは排気量の小さい刈払機でも同じことがいえます。
ご家庭で年に数回、庭の草刈りをナイロンカッターで行うくらいならばあまり問題がないと思います。(1時間くらいの草刈り)

朝から晩まで長期間ナイロンカッターを使用するならば、クラッチシューの点検は行った方がいいと思います。


他の地域ではどうかわかりませんが、当店のお客さんが大排気量刈払機を購入する理由は、ナイロンカッターで作業することが多いからです。

ですからメーカーさんへのお願いとしては、強力なエアフィルター、焼結タイプのクラッチシュー、この2点だけはお願いしたいです。

少々高くなっても機械が壊れて修理したり、買い替えるよりはいいと思います。

今この2点をクリアしているのは、スチールのFS200とFS240だけだと思います。
ただ、スチールにも使いにくさと欠点はあります。
しかし、ナイロンカッターを多用する場合は一番のお勧めだと思っています。

当店ではゼノアBC4410と新ダイワRM451刈払機にはご希望であれば、強力なエアフィルターに変更するオプションも用意しています。
※残念ながらクラッチシューはそのままです。



話は変わりますが、北九州は工業地帯でもあるので、刈払機やチェンソーに過酷な環境でもあります。

その話はまた別の機会に、それではまた。


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    [C984] No title

    こんばんは、三彩さん。
    確かにハスクバーナ、スチールの刈払機はカッコよく良く作られていると思います。
    国産大排気量刈払機もパワーもありシンプルでいいと思います。修理がしやすい。

    スチール大排気量刈払機はギアケースが日本の作業内容には向いていないと思います。
    それ以外はいいのですが。

    村人さん、こんばんは
    クラッチの材質アルミにした理由はたぶん村人さんが言う通りだったと思います。

    去年のゼノアの代理店会議で言っていたと思います。
    そのあたりの説明しっかり聞いていなかったと思います。

    BC4410刈払機でもナイロンカッターを常用するとクラッチシューは1年持ちません。

    BC2711の後継機種BCZ271はスプラインの数が減りヤマ一つ一つが大きくなっています。
    スプラインなめにくくなっていると思います。

    ただ、互換性はなくなってしまいました。

    いつもコメントありがとうございます。
    それではまた。
    • 2013-09-18 22:43
    • チェンソーヤ
    • URL
    • 編集

    [C983] No title

    うちの4410は6年目ですがまだシューが半分以上残っています。
    毎シーズン100時間以上は使っていると思いますので500時間以上は使ったと思われます。
    クラッチの口径が大きいから持つのかと思っていたら、1シーズンでライニングが無くなってしまう仲間もいると聞いてビックリ。

    クラッチシューの材質がアルミ製なのはクラッチインとの兼ね合いではないでしょうか。シューを鉄にすると重くなり、同じスプリングでは遠心力に負けるのでクラッチインの回転数を調整する為には強いスプリングが必要となります。
    クラッチがつながった後は滑って欲しくないのでスプリングは弱くしたい。
    スプリングを強くするとライニングの圧着力が十分得られない。
    そんな風に勝手に解釈しております。

    場合によってはクラッチが滑る事でドライブシャフト等を守るヒューズの役目もあるのでその辺の兼ね合いも必要なのでしょう。

    私の2711は一度もドライブシャフトのスプラインを飛ばした事はありませんが、パワフルな仲間はチョイチョイ飛ばしているので、クラッチが滑る事でドライブシャフトを守っていると思っています。
    ブンブン振って、伐根に刺さって鋸歯が瞬間停止なんて言う事が日常茶飯事なんです。
    いつもドライブシャフトのスプラインが飛ぶのはクラッチドラム側なので潤滑不足も有るのでしょう。
    プロユーザーの場合は使用時間が多いので、年に一度はそこへのグリスアップも必要と思っています。
    • 2013-09-18 21:56
    • 村人
    • URL
    • 編集

    [C982] No title

    刈払機も25ccを超えてくると海外メーカーが良いかもしれません。
    現状で正規品はスチールだけですが。
    ハスクバーナやドルマーとかはエンジンからして専用品なので国産より優れているのではないでしょうか。
    デザインも国産のいかにもキャブを後付けしたようなものとは違います。
    • 2013-09-18 20:11
    • 山彩
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