エンジンがかからないということで調べていたら、プラグ取付口ネジ山破損していました。
本来はピストンシリンダー交換となります。
チェンソーが当店で購入品であればプラグ穴をヘリサート加工することもあります。
その場合はある条件を提示します。
失敗することもあるのでその時はピストンシリンダーの交換となるということ、または修理中止です。
その責任は申し訳ないですが、負えないということ。
(今まで失敗したことはありませんが念のためです)
チェンソーなどの小型農機具のエンジンはシリンダーヘッドが分割式ではありません。
また、燃焼室が小さくて機種によってはヘリサートタップがうまく使えないこともあります。
(燃焼室に干渉する場合がある)
今回のケースもギリギリでした。

自分のチェンソーであればシリンダー分解せずにやってみようかと思うのですが、そこはお客さんのチェンソーなのできちんとシリンダーを分解してから作業します。
タップした後の金属屑を確実にきれいに取り除くためには分解したほうが安全です。
ただ、修理工賃は高くなりますが・・・

汚れを落とすのが結構時間がかかり面倒です。
シリンダーにヘリサート加工すると弱くなると思う方もいるかもしれませんが、ヘリサート加工するとネジ山は強くなります。
ヘリコイルがずれたり外れたりすることもまずありません。
ヘリコイルは少し大きめでタップを切った穴にねじ込んでいきます。
外に広がろうとする力でしっかり密着します。
アルミなどの柔らかい金属のネジ山を強固にするためにヘリサート加工することもありますので、うまくいけば何の問題もありません。
ただ、当店では個の修理は気心に知れたお客さんだけを対象にしています。
理由
1.少々面倒である。
2.失敗することもある。
3.当店のお客さんだから。(失敗しても怒らないお客さん。気心が知れている)
このチェンソーは8年くらいになりますが、一度クランクケースも交換しています。(車で踏んだか、ユンボで踏んだ)
過酷な環境にありますが、まだまだ行けると思います。
実はこの記事は連休前から書いていたものですが、今日電話がありヘリサート加工のことで問い合わせがありました。
ただ、ヘリサート加工など私自身年に数回くらいしかしないので、人に説明できるくらいの知識も技量もありません。
また道具も普通のツガミ製のハンドタップです。
ネジ山再生のハンドタップはホームセンターなどでも販売していますが、ヘリサート用のタップやヘリコイルはホームセンターなどではほとんど販売していないと思います。
プロ用工具屋さんかネットショップで探すしかないと思います。
私もネットショップで購入しています。
以前は工具卸商社さんなどに注文していましたが、少ない数なので申し訳ないと思い、簡単なネットショップで購入してしまいます。
ヘリサート工具メーカーなどのサイトでいろいろ調べてから購入しています。
私が決めているのはヘリサートタップとヘリコイルは同一メーカーにしているということくらいです。
(気にしなくてもいいという方もいますが)
あと、通常のネジのヘリサート工具は私専用に改造しています。
これはオオマチキハンの社長に教えてもらった改造です。
(こんな改造はしなくてもいいのですがチェンソーでは必要になることもあります)
チェンソーや刈払機のヘリサート加工は比較的簡単かもしれません。
アルミダイカストなのでタップを切りやすいと思います。
ただ、斜めにタップを切ったりするので注意が必要です。
それではまた。
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