今回はソーチェンについて少し書いてみたいと思います。
排気量30~40㏄くらいのチェンソーによく使用されているソーチェンといえば3/8ピッチ、1.3mmゲージのものだと思います。
その中から5種類のソーチェンを紹介してみたいと思います。

上から
スチールPS3 角刃(バンバードライブリンク)、スチールPS3 角刃、トライリンク セイバー(角刃)、ハスクバーナH37、オレゴン91PX(バンパードライブリンク)
となります。
ハスクバーナのソーチェンはオレゴンの91VXLと同等品です。
オレゴンのOEMです。
将来ハスクバーナはオレゴンからのOEMを減らし、オリジナルソーチェンを出していくようです。
(海外ではすでに出ています)



バンパードライブリンクは、バンパーなしのものと比較して切れ味が劣るようです。
私にはわからないレベルかと思います。(笑)
おそらく切削クズのかき出しが悪くなり、切れ味に影響するのかもしれません。
スチールとトライリンクセイバーはカッターが大きめです。
ハスクバーナとオレゴンは若干小さいです。
特にオレゴン91PXチェンは小さいです。
次に質量を計測してみました。
今回は5本すべて52コマに数を合わせています。





スチールPS3バンパー付き180g
スチールPS3 175g
ドライブリンクの形状が異なるだけで5gの差があります。(五円玉5枚)
トライリンク セイバー 165g
ハスクバーナH37 161g
オレゴン91PX 163g
スチールソーチェンは他のソーチェンと比較して質量が大きめです。
3/8ピッチ、1.3mmゲージでもある程度の強度を求めていると考えられます。
なぜかというと、排気量50ccクラスのチェンソーでも常用できるようにしているからだと思います。
また、ロゴソールで使用するときは排気量90ccクラスのチェンソーでも使用するようになっています。
軽量化よりも強度を重要視しているということです。
ハスクバーナやオレゴンは3/8ピッチ、1.3mmゲージソーチェンは小型チェンソー用として割り切っているかと思います。
意外だったのが91PXよりH37のほうが軽量だったということです。
両方ともオレゴンせいですが、H37のほうがプロ向けなので、重いと思っていました。
これまた意外だったのが、トライリンクのセイバーがこれまた軽量だったことです。
排気量35cc未満の非力なチェンソーになってくると、91PXやH37のほうが切削スピードは速くなります。(PS3と比較して)
しかし、排気量35cc以上のある程度パワーのあるチェンソーには、スチールPS3は切削スピードが速くなります。
当店ではハスクバーナ135eチェンソーでスチールPS3を使用している方が多くいます。
スチールは排気量30cc以下のチェンソー用として3/8ピッチ、1.1mmを用意しています。
ハスクバーナやオレゴンは排気量50ccクラスには.325ピッチのソーチェンを推奨しています。
ハスクバーナやオレゴンは.325ピッチの場合、ピクセルなど1.3mmゲージなども用意しているので、軽量化などにも考慮しているかと思います。(.325ピッチは少し質量が大きめ)
スチールとハスクバーナやオレゴンは、チェンソーの能力に対して、ソーチェンのアプローチの仕方が異なるので面白いです。
異なるアプローチをしているので、ユーザーさんはそれらのどちらかを選択することができていいかと思います。
当店では、ユーザーさんの好みや所有しているチェンソーのことを考慮して使用するソーチェンをいろいろ提案させてもらうこともあります。
通常は、そのメーカーのチェンソーの標準ソーチェンで販売しています。
お客さんとの付き合いが長くなってくると、どのようなチェンソーを所有しているか把握できるので、その時にいろいろ提案するのです。
例えば、ハスクバーナ346XPにスチールPS3ソーチェンをつけたり、スチールMS241にオレゴン95TXLソーチェンをつけたりしています。
最近はトライリンクのセイバー3/8ソーチェンがプロの方にいい評価です。
抜群にいいというわけではありませんが、切れ味の持続性があるようです。
チタンコーティングしているからだと思います。
お客さんに聞くと、午前10時の休憩中に目立てしなくてもいいということでした。
トライリンクセイバー3/8ピッチチェンもチェンソーのパワーがあるほうがいいと思います。
ハスクバーナT540XPクラスにお勧めです。
トライリンクの方に申し訳ないですが、.325ピッチのソーチェンは突っ込み切りがしにくいという評価があります。
確かに.325ピッチクラスのソーチェンを使用するときは、突っ込み切りをやることが多くなるかと思います。
3/8ピッチは突っ込み切りするケースは少ないと思います。
T540XPなど高所作業で使用する場合、切れ味が持続するということはいいことだと思います。
質量もそこまで大きくないので、使いやすいかと思います。
価格も当店ではスチールやオレゴンよりも若干安く設定しています。
トライリンク セイバーも一度試してもいいかと思います。
当然好き嫌いがあるので、すべての方がいいというわけではないと思います。
最後に、切れ味は、目立てが一番重要です。
目立ての道具もいろいろありますが、使い勝手や好みなどもあり、またやり方もあります。
あまり詳しくないという方は、ご購入店でいろいろ説明を受けたほうがいいと思います。
または、オレゴンのパワーシャープという商品も一つの選択肢です。
これについてはまた後日
それではまた。
すみません、忘れてました。
スチールPS3バンパーなしソーチェンも当店で在庫しています。
プロ用として実店舗で紹介していきたいと思います。
スチールがバンパーなしも用意しているということは、切れ味に差があるからだと私は考えています。
> バンパードライブリンク付が切れ味が劣ると感じるのは摩擦抵抗の増大によって、というのが正しいです(厳密にいうと、”切れ>味が劣る"のではなく、"切削効率が劣る")
スチールPS3とPSのカッター形状は同じなので、カッターの切れ味自体は私も同じだと思います。
切削クズの掃き出しにドライブリンクが少なからず影響していると思います。
オレゴンの95VXLと95TXLの大きな違いはカッター形状で切れ味の向上のために切削クズの排出を考えたようです。
バンパータイストラップも切れ味が悪いのは切削クズの掃き出しの影響のようですね。
>また、バンパードライブリンク付=安全性の向上とだけ思われるかもしれませんが、枝払い時のソーチェーンの引っかかりを抑止>するという隠れた役割もあります。歴史的にいうと、この隠れた役割の為にバンパーは当初開発されたのですが、安全性の向上=>キックバックの抑止は副産物だったりします。
こちらは初耳でした。
バンパーはキックバック防止の対策で作られたものだと思っていました。
副産物だとは知りませんでした。
ただ、この副産物はいい副産物だと思います。(笑)
昔試してみましたが、キックバックの衝撃は減ります。
(試さないでください)
切れ味や突込み切りの評価は、実店舗では角刃のほうが評価が高いかと思います。
各個人の感覚の差が大きく影響してくるかとは思いますが
当店では、スチール3/8ピッチ1.3mmは角刃のほうが評価も良く 売れています。
オレゴン.325ピッチ1.5mmも角刃のほうが評価が高いような気がします。
購入時角刃を指定する方が多いからそう感じています。(笑)
ただ、角刃を好むのも面白いことに地域のよって異なるようです。
同じ九州でも、角刃の評価が低いところもあるようです。
草刈り機が地域によって、背負式が多かったり、肩掛け式が多かったりするのに似ているような気がします。
刃物は各個人の好みがあると思いますし、作業内容によっても変わってくると思います。
それと何を重要視するかによっても使用するソーチェンが変わってくるかと思います。
今回コメントありがとうございます。
まだまだ知らないことがたくさんあります。
これからもよろしくお願いします。