先日、ソーチェン3/8ピッチを紹介しましたが、紹介しきれなかったものについて少し書いてみたいと思います。
手前からオレゴンパワーシャープ、スチールピコデュロ、スチールピコマイクロC、スチールピコマイクロミニCです。
一番奥のスチールピコマイクロミニは3/8ピッチですが、ゲージが1.1mmなので、ほかのソーチェンとは互換性がありません。
(参考までに並べてみました)

手前、オレゴンパワーシャープソーチェン独特の形状です。
一般的なソーチェンは、カッターの外側にメッキが施され、目立てをするときは丸やすりで内側から目立てします。
パワーシャープはカッターの内側にメッキが施され、目立ては特殊な装置で外側を削ります。
詳細はこちらをご覧ください。
http://chainsawhonpo.blog.fc2.com/blog-entry-1097.html▼パワーシャープ
スチールピコデュロについても以前書いていますが、カッターに超鋼チップが付いています。



当店だけかもしれませんが、最近ピコデュロチェンとパワーシャープチェンの売れ行きが落ちているような気がします。
説明不足と一部の風評が原因かもしれません。
ピコデュロもパワーシャープも通常ソーチェンと切削スピードほとんど変わらないと思います。
ただ、切れ味というか きちんと目立てしたソーチェンのほうが切れる感じがします。
以前メーカーの体験会で比較してみたときは、切削時間は同じくらいでした。(ほぼ同じ誤差の範囲かと思います)
ただ、パワーシャープもピコデュロも堅い木を切っているように感じます。
きちんと目立てしたソーチェンで切ると柔らかい木を切っているように感じます。
特に角刃は切れ味がマイルドに感じます。
(マイルドに感じる=硬い木でも柔らかい木を切っているように感じる)
試し切りをしているときに時間を計っていないと、パワーシャープやピコデュロは切削時間が長く感じます。
感覚的に切れ味、切削スピードがかなり劣るように感じてしまいます。
(実際は通常ソーチェンと大差なく同じだと思います)
あくまでも私の個人的感想ですが、
私は、同じ木を同じチェンソーで、異なる新品ソーチェンで試し切りすることがあります。
目立て前の新品ソーチェンで試し切りする機会は、多いかもしれません。
私は角刃が一番マイルドな切れ味だと思います。
角刃は角が尖っているので、木に突き刺さる際にサクッとカッターが刺さるからだと思っています。
(より一点に集中している)
パワーシャープも先が尖っているので、同じような感触になるかなと思ったのですが、角刃のほうがいい感じです。
メッキが外向きか内向きか その差なのかもしれません。(勝手な想像です)
また角刃を使用すると振動も少なく感じます。
ピコデュロは超鋼チップということなので、通常ソーチェンと比較するとギンギンに刃が立っているわけではありません。
そのあたりが、切れ味という感覚に影響してくるのかもしれません。
ピコデュロは、抜群の切れ味があるわけではないですが、抜群の切れ味持続性があります。
通常ソーチェンの4倍 切れ味が持続するといわれています。
草刈りでいうところの、チップソーと同じようなものです。
切れ味が持続するというピコデュロなのですが、超鋼チップという語句が入っているので、土や石を切っても大丈夫だと勘違いしてしまいます。
超鋼チップが付いているルートカッター(根切り)やレスキューソーを連想するのかもしれません。
また、デモンストレーション動画で土まみれの木を切る動画もあります。
それらを見て土付でも全く問題ないと思うのでしょう。
実際 私は、お客さんにクレームを言われたことがあります。
ピコデュロソーチェンが2分ほどで切れなくなったということでした。
どういう使用状況だったのか?
よくよく聞いてみると、地面ギリギリで木を切っていたようです。
(切り株を残せないという作業)
通常ソーチェンを使用すると30秒ほどで切れなくなる。
だからピコデュロ超鋼チップ付きソーチェン買ったのに、2分しか持たないじゃないか。
ということでした。
でも、ちゃんと4倍 切れ味は持続していると思います。(笑)
30秒→2分
超鋼チップ付きのピコデュロを販売するときに、泥や土がついている木材もガンガン切れるという言い方はまずいかもしれません。
通常ソーチェンの4倍切れ味持続というべきだと思います。
通常ソーチェンが、1本しか切れない木材なら、ピコデュロは4本しか切れないと
販売時に過剰宣伝してしまうと、お客さん勘違いして無茶な使い方をしてしまいます。
お客さん、オールマイティのチェンと勘違いして、現場に1本しかソーチェンもっていかないかもしれません。
私もピコデュロチェンを販売するときに、落とせる土や泥はできるだけ落としてから切ってくださいと言うべきだったと思います。
わざと地面に当てながら切る人もいたようでした。
そういう切り方をしても、通常ソーチェンの4倍切れ味持続すると勘違いしてしまっているようです。
きれいで汚れのない木を通常ソーチェンで切る場合と 土砂まみれの汚れている木をピコデュロで切る場合は、通常ソーチェンのほうが切れ味は持続すると思います。
超鋼チップと4倍切れ味持続という語句だけが大きく取り上げられ、過度な期待をユーザーさんが持ち
わざと過酷な使用方法をし(根切りチェン並みの使用方法)、 リピート購入の減少につながっているのかもしれません。
同じ条件下で初めて通常ソーチェンより4倍長持ちします。
ピコデュロでも通常ソーチェンと同じように注意しながら使用すると非常に便利だと思います。
当店のお客さんでも、それを理解してくれている方は、リピート購入を続けてくれています。
(少ないリピート購入者数ですが(笑))
説明不足がリピート購入に影響するかと思います。
もう少し、メリットデメリットを説明し、十分な効果が発揮できるように伝えなければなりませんでした。
スチールピコデュロチェンは、最初の説明が肝心だと思います。
通常ソーチェンよりも価格が高いので、無茶な使用方法だといろいろな面でダメージが大きくなります。
スチールピコデュロチェン販売するとき もう少しきちんと説明するべきだったと反省しています。
続く
次回はオレゴンパワーシャープについて
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