ソーチェンについてとやかく言うほど、刃物について詳しいわけではありませんが、私なりに思ったことを書いてみたいと思います。
昔書いた記事と重複するところが多々ありますが、ご勘弁ください。
私は実際に木を切る機会はほとんどないのですが、(玉切くらい)
お客さんとのコミュニケーションでいろいろと教えてもらったことがあったり、昔 出来杉さんが言っていたことが なんとなく理解できたことがあります。
それらを少し。
ソーチェンが切れるということは、いろいろな要因があると思います。
カッターだけを考えてみます。
1.目立て
2.カッター形状
3.材質
などがあるかと思います。
その前にカッターの名称が、わからなければわかりずらいと思いますので下記を参照してください。

まずは、1.目立て これが一番重要かもしれません。
目立てのやり方や注意点などはいろいろなサイトでも紹介されています。
▼出来杉さん▼磐井の里さんなどが詳しく書かれています。
私は、目立ては直接木に触れる、上刃や横刃上部、カッティングコーナーがしっかり研げていればそれで、切れると思っていました。
確かに、十分に切れると思います。
新品チェンの一回目の目立てであれば、新品より切れ味が良くなることもあると思います。
(上刃と横刃だけ注意して目立てするだけ)
特に私は上刃のほうをしっかり目立てしていれば、OK と思っていました。
実際横刃はあまり気にしていませんでした。
それでも、十分に切れていたと思います。(玉切だからかも)
ですから、ペフォードダブルベベルだけで目立てするだけでいいと思いました。
出来杉さんのサイトでペフォードダブルベベルだけでは、足りない旨書いてありよく理解できませんでした。
ガレット部の形状が重要だということを書いていたと思いますが・・・
実際に木にあたっていないところが、そんなに重要なのか?と思っていました。
ペフォードダブルベベルだけで目立てを続けると横刃下部やガレットが変に残ります。
それが、切削クズの排出に影響するのだろうと思いましたが、どれほど影響するか私にはわかりませんでした。
(下記写真 上から 95TXL 95VPX スチールRMC325です。)
2.カッター形状
1~2年前に95TXLというソーチェンがオレゴンから発売されました。
発売当初はカッターに刻印されたラインやタイストラップ、ドライブリンクが目に見えて違ったのでそこが性能アップしたのだろうとしか思いませんでした。
金属の材質やメッキなどは以前のものと変わらないということを聞いていたのです。
今年に入ってオレゴンの会議に出席した際に、工場でのカッター目立ては3方向からヤスリを当てていると聞きました。
どの方向からどのように当てているかは、わかりませんでした。
確かにガレット部の仕上げが、95TXLと95VPX(ピクセル)では若干異なります。
当時から気が付いてはいましたが・・・
これが重要なのだなと最近お客さんから教えてもらいました。
こちらのお客さんには、いろいろなソーチェンを購入してもらっています。
そして来店するたびに私がいろいろ質問するということをさせてもらっています。(ありがたいです)
その中で、興味深い話を聞きました。
95TXL新品時切れ味がいいということです。
そして95TXL目立てをし続けていくと、95VPX(ピクセル)と切れ味が変わらないようになる。ということでした。
95TXLを半分ほど目立てしたものと95VXLを半分ほど目立てしたものが、同じような切れ味ということのようです。
両方とも目立てを続けていくとカッター形状が同じようになってくるので、切れ味が同じようになってくるのだと思います。
カッターの形状、ガレット部の形状が切れ味に影響するということでしょう。
切削クズの排出は、私が思っているより重要な要素なのかもしれません。
確かに、竹切用のフルカッターチェンで木は切れないといいます。
切削クズが詰まってソーチェンの動きが悪くなります。
木に直接当たる、上刃やカッティングコーナーだけでなくガレット部も目立て時には重要になるということでしょう。
ただ、上刃とカッティングコーナーをしっかり目立てするだけでも、驚くほど切れるようになると思います。
ペフォードダブルベベルヤスリだけで目立てを続けると、ガレット部が残り横刃も形状が悪くなるかと思います。
本格的に目立てするときは、丸ヤスリで目立てして、その後 仕上げでペフォードダブルベベルヤスリで目立てするといいかもしれません。
現場で目立てするときはペフォードダブルベベルヤスリだけで整えるという感じでいいかもしれません。
自宅で丸ヤスリで目立てするときも、ガレット部も95TXLを参考にして形状を変えてみてはどうでしょうか?
次に、ハスクバーナXカットの紹介です。


近い将来、ハスクバーナから発売されるソーチェンです。
数年前から発売するといううわさがありましたが、昨年海外で発売になり日本でももうすぐ発売になると思います。
(年末から来年くらい)
横刃ガレットの形状も他社とは少し異なるような気がします。
ソーチェン目立ての奥が深いのは、木を切るだけではなく、切削クズの排出というもう一つの要因があるからなのでしょう。
バンパードライブリンクも切削クズの排出に若干影響するかもしれませんね。
まあ、そこまで気にする必要もないかもしれません。(笑)
▼目立て関連商品こちらペフォードダブルベベルヤスリの資料付きもあります。
目立ては面倒だからやらないという方にはこちらをお勧めします。
▼オレゴンパワーシャープ切れるソーチェンを使用しないとチェンソーに負担をかけます。
ご注意ください。
競技では、アントンセン氏も言っていましたが、半分ほど削り落とすそうです。
切削クズが長くなりすぎると排出が難しくなるので、縦引きのチェンは上刃目立て角10度、ハスクバーナは通常ソーチェンでも上刃目立て角25度でいいと言っています。(カール何とかさん)名前忘れました。(笑)
切削中の切削クズの抵抗は、意外と大きいのでしょう。
切削クズのことまで、考えて目立てすることは、長い切削クズを出せるほど目立てがしっかりできる方に限ると思います。
まずは、上刃カッティングコーナーをしっかり目立てすることから初めて、切削クズの排出のことは考えなくてもいいと思います。
私は考えていません。(笑)
玉きりしかしないし、違いが判らないので・・・
切削クズのことを考えて目立てしている方は、チェンソー使用している方の中で何パーセントいるか?(ほんの一握りかも)
マイクロチゼルと角刃で上刃目立て角を変えている方少ないと思います。
(私はどちらも30度でいいと思っています、違いが判らないので)
当店のお客さんで、私に目立ての仕方を尋ねてくる方は、初心者の方が多いのでここまでのことは話すことはないし、質問も受けないので、安心しています。(笑)
それでは。