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スチールMS500iチェンソー 世界初インジェクション搭載チェンソー


今回は、あまり写真を撮らなかったので、伝わらないことも多いかもしれません。
10月前には少しずつMS500iチェンソー各販売店へ入荷していくと思いますので興味のある方は各販売店へ足を運んでみてください。


試し切りはかなり荒っぽく意地悪な切り方をしてみました。
ソーチェンが止まるように押し付けたりしましたが、なかなかいい感じでした。
パワーバンドも広くトルクフルだと感じました。

MS500iチェンソーは、インジェクションでMトロニック(コンピュータ制御)です。
そのあたりから紹介していくことにします。

上画像白い線で囲ってあるところがコントロールユニットです。


スプリング内蔵のパージポンプが付いています。
このパージポンプはエンジン始動時、再始動時にはしっかりポンピングすることです。
コントロールユニットがあったりパージポンプが大きめだったりしますが、キャブレターが無いので設計の自由度は高いような気がします。


エアクリーナーはHD2フィルターで大きめです。
排気量約80ccあるのである程度の大きさは必要かと思います。
エアクリーナーの写真撮ればよかったのですが、忘れました。(笑)

エアクリーナー大型化するとカバーが大きくなりがちですが、下記写真ご覧ください。


円で囲った部分、大きめのエアクリーナーがあるとは思えないような感じです。
スタイリッシュです。



エアクリーナーとインテイクマニホールドの間にキャブレターが無いということが、コンパクト化に貢献していると思います。

排気量80ccクラスのキャブレターは結構大きいです。
それが無いということは設計の自由度は大きかったでしょう。

下写真2枚、スロットルシャッターです。



シャッターは上下に開く横軸回転ではなく、縦軸回転で左右に開きます。

縦軸になったのは、スロットルロッドなどのレイアウトを考えてこのようにしたのだと思います。
スロットルロッドの写真も撮ればよかったのですが・・・

短くて曲がりが少ないものになっています。
軽量化、コンパクト化に一役買っているでしょう。


キャブレターだとスロットルシャッターは上下に開かなければなりませんが、インジェクションの場合はどの方向に開閉してもOKということでしょう。

シャッターだけだとこの薄さになるのもいいです。
キャブレターの厚さと比較するとかなり薄いです。

矢印は空気の流れる方向です。





キャブレターは無いかもしれないが、インジェクションはあるだろうと思うでしょう。
その分のスペースは確かに必要ですがレイアウト的にキャブレターより有利です。

インジェクションはマニホールドの間にあるというより、下側に配置されています。(白丸)
マニホールドに噴出口分のスペースだけでいいと言えます。




そして燃料をマニホールド下側から噴射しています。

ここで噴射と書きましたが、高圧で噴射しているわけではないようです。

燃焼室内や筒内に噴射するわけではないので、高圧にする必要はないということです。

マニホールドなので霧吹き効果もあるのでタイミングと噴射量だけ注意すればいいと思います。

かぶることは少なくなると思いますが、燃料がいかないということが起こりそうです。
燃料ホース内のべーパーロック

インジェクションはエアインテイク、エアフィルターを含めてデザインがしやすくなると思います。
スチールチェンソーの中でもかなりスタイリッシュだと思います。

よくよく考えると、コンピュータ制御はキャブレターで使用するよりインジェクションで使用したほうが、ダイレクトにコントロールできるし、コンパクトになるのでいいかと思います。

ではなぜ、キャブレター式を採用していたのか?
今までは、インジェクションの小型化などのハードルがあったのかもしれません。

それと、キャブレター式にした理由が・・・私の独断と偏見ですがあると思います。(笑)
下写真ご覧ください。

シリンダーです。シリンダーフィンは筒に対して斜めに配置しています。
空冷効果を高めていると思われます。

そしてシンプルです。

排気ガス規制クリアしているエンジンです。
何か気が付きませんか?

層状掃気エンジンなのですが、先導空気の部分がありません。
スロットルシャッターも先導空気の取り入れ口はありませんでした。

初期の層状掃気エンジンは、先導空気を使って掃気ポートに空気を入れ排気ガスと未燃焼ガスの間に層を作り未燃焼ガスの漏れを防ぐというものでした。

先導空気を使う層状掃気エンジンは、先導空気を制御するのにキャブレター式が都合が良かったのかもしれません。

先導空気式はインジェクションで使用するには、インジェクションのメリットを食ってしまいそうです。

MS500iチェンソーどのような層状掃気かかというと、排気ガスを使用した層状掃気です。
排気ガス(燃焼したガス)を一部掃気ポートに戻し、未燃焼ガスの漏れを防ぐというやり方です。

排気ガスを使用して層状掃気エンジンは、MS500iチェンソーが初めてではありません。

MS461というチェンソーですでに採用されていました。(データや実績積んでいると思います)

先導空気を使用したほうがいいのか、排気ガスを使用したほうがいいのか。
どちらの層状掃気エンジンがいいのか、私にはわかりません。

しかし、排気ガスを使用した層状掃気エンジンのほうが、シリンダーやピストンの形状がシンプルで済みます。
また、先導空気を取り入れる仕組みも必要ないので、インジェクションのメリットを食うことも少ないかと思います。

私の考えですが、インジェクションのほうがより燃料をダイレクトにコントロールできるので、排気ガス方式の層状掃気エンジンにマッチするのかもしれません。





先導空気式層状掃気エンジンのピストンは形状が複雑で縦長になりますが、排気ガス式層状掃気エンジンはシンプルなピストンになります。

ピストンがシンプルだと、軽くなります。軽くなると慣性の法則も小さくなり、加速性高回転化につながると思います。
故障も少なくなると思います。
製造コストも・・・


下写真はシリンダーを下からみています。

排気ガス式の層状掃気は、シリンダーもシンプルになります。

写真左側がマフラー側になります。
マフラー側に掃気ポートを配置しています。
シリンダーを横に膨らませることなくチェンソーの横幅もタイトになるかと思います。

ここでまた私の独断と偏見です。
チェンソーをスリム化するというより、掃気ポートをマフラー側に持ってくることでマフラーからの熱を遮っているのかもしれません。

排気ガス規制エンジンは、燃料少ないので燃料冷却も難しく熱に弱いと言われています。

(マフラー側に掃気ポートが配置されているのは、ハスクバーナの550XPチェンソーでも採用されています。)

2ストロークのエンジン、昔は掃気ポートは クランク室からシリンダー燃焼室へ出来るだけ短くなるようにと言われていましたが、今では掃気ポート経路が長くなっています。
層状掃気で排気ガス規制もあるからだと思います。



フライホイールは、小型化されています。
インジェクションとコントロールユニットで、電気を食うのですが、小型化出来たのはネオジム磁石を採用したからだと思います。(発電量アップ)

中心部に小さい穴が多数あるのは、軽量化だと思います。

これ以外にも、気が付いた点がありましたか、忘れてしまいました。(笑)

このクラスのチェンソーは、日本国内ではあまり売れる機種ではありませんが、インジェクション式チェンソーとして歴史に残るでしょう。(笑)

修理は大変になりそうです。
多分大変でしょう。
キャブレター式チェンソーの故障事例は多数蓄積していますが、インジェクション式チェンソーは、初めてです。
インジェクション由来の故障もあるでしょう。
物理的な故障と電気的センサーの不具合などもあると思います。
チェックするところの数が増えるということになります。

期待と不安が入り混じりますね。(笑)
修理もシッカリするお店は、新型機種が出るときは期待と不安を感じると思います。(笑)

コンピューター制御の修理の経験も生きてくると思います。

修理に関しては、講習を受けたり、修理工具を揃えるのも重要ですが、修理台数が一番の勉強です。

自動車学校で免許取ったから、レーシングドライバーになれるわけではありません。
長年運転して運転技術がアップします。
修理も同じです。

ペーパードライバーが運転下手といわれるのも、経験が少ないからだと思います。

話がそれました。(笑)

スチールMS500iチェンソーは、TS500iエンジンカッターのいろいろ情報を収集し、改良されていると思います。

不具合が少ないことを願いますが、いつも言うように100%完璧な機械はありません。

当店もMS500iチェンソーを取り扱うにあたって、しっかりアフターサービス対応していかなければと思っています。
機械ものは販売店も機械の性能に少なからず関与していると考えています。

そうでなければ、我々販売店の存在意義は・・・無いでしょう。

ネット通販形態もあるのでメーカー直で商売ができてしまいます。(笑)

次回に続く


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