前回の続きです。
スチールMS500iチェンソーは新技術てんこ盛りです。
新しもの好きの人にはたまらない商品でしょうが、心配性の人にはなかなかいきなり飛びつける商品ではないかもしれません。
修理屋の立場からしてもMS500iチェンソー期待と不安が・・・(笑)
しかし、今回はメーカー技術の方が日本全国を回ってMS500iの技術講習会を開いてくれています。
単なる新商品発表会ではなく、MS500iチェンソー ピストンシリンダーまで分解する講習会を行ってくれています。
ピストンシリンダーまで、分解するということは全分解することに近いです。
中をじかに見ることができるということは、修理屋としては自信がつきます。
修理をしたという実績がつくわけではないのですが、どのような仕組みになっているのか、どのように分解していけばいいのかというのが実際に体験できるというのは、すごくいいです。
実際にインジェクションやコントロールユニット、ポンプ燃料回りを見て 意外とシンプルで故障は少ないのかもしれないと思いました。
中の仕組みを見るのと見ないのとでは、安心感が違います。
実は、ハスクバーナ550XPMarkⅡチェンソーが新発売になった時もハスクバーナが、分解する講習会を開いてくれました。
新商品発表会は、全分解するくらいの発表会がいいと思います。(笑)
スチールのコンピュータ制御はコントロールユニットとで点火、燃料などの量やタイミングを管理しています。
コントロールユニットは燃料タンクのわきに配置されていてシリンダーやマフラーから離れたところに配置されています。
熱の影響を受けにくいかと思います。
残念なのは、ファームウエアの更新が簡単にできないということかもしれません。(全くできない、コントロールユニットの交換でできるかも?)
コンピュータ制御は、使用状況などすべてのデータを記録し、ファームウエア更新時にメーカーへ そのデータすべて送り、解析してよりよい制御に役立ててほしいところです。
全世界何万台というチェンソーからデータ収集しビッグデータをAIで解析するのもいいと思います。(笑)
ハスクバーナは、データ収集しているのかな?
使用者の個人情報などが特定できなければ、データ収集してもいいと思います。
インジェクションについてですが、思っていたよりもコンパクトで驚きました。
インジェクションというと高圧で噴射するというイメージがあったので
MS500iチェンソーは吸気ポート内に燃料噴射するので、高圧で噴射する必要が無いようです。
よく考えると、2ストロークのエンジンは吸気ポートに噴射するしかないかもしれません。
(クランク室に噴射してもいいかもしれませんが)
潤滑のことを考えると吸気ポートに噴射するのが良いでしょうし、高圧で噴射しなくてもいいので、システムは簡素化できるのでしょう。
排気ガス規制などを考えると燃焼室内に噴射するか、筒内噴射のほうがいいと思います。
さらにダイレクトに燃料制御できると思います。
ただ、2ストロークのエンジンは潤滑のシステムが基本的にないので、クランク室の潤滑を考えると燃焼室内直噴は選択できないでしょう。
※今から30年くらい前にトヨタが2ストローク直噴エンジンを開発しているというテレビ番組を見たことがあります。
車のエンジンで、理論上4ストロークのエンジンの半分のサイズで同等の馬力が出せるというものでした。
(燃焼の回数が倍になるので)
燃焼室内の噴射にずいぶん手こずっているという内容だったと思います。
圧縮するときに燃焼室に燃料噴射しその直後に点火するという仕組みだったと思います。
高圧の中 噴射するということと、微細な噴射で速やかに燃料が撹拌するというのが難しいという内容だったかと・・・
その時の番組を見ていたので、インジェクションは高圧で噴射するというイメージが付いていました。(笑)
今回の技術講習会で分解したことによって、空気の取入れやインジェクションの配置など実際に見ることができてインジェクションのメリットが体感できました。(笑)
小型チェンソー用のインジェクションシステムができるといいかと思います。
HD2フィルター大型で強力なエアフィルターシステムを小型チェンソーでも採用できるといいかもしれません。
排気ガス規制エンジンはエアフィルターが弱いと不調になりやすいのではと思っています。
スチールMS500iチェンソーは排気量79.2cc(80ccクラス)あるので、需要が大きいとは言えないので多くの方の目に触れるのは少ないかもしれません。
排気量40ccクラスのチェンソーに搭載されるのもそう遠くない未来かもしれませんね。(笑)(私の単なる思い込みの予想です)
車やバイクも排気ガス規制やパワーを求めるとキャブレターからインジェクションへ移りました。
チェンソーも同じ道を進むと思います。
車やバイクは、道具の部分もありますが趣味の部分も比率が多いです。
チェンソーは何の目的もなく木を切るということは無いでしょう。(笑)
林業、造園、家庭菜園、薪つくり、何らかの目的があります。
道具としての部分のほうが大きいです。
道具としてみると、やはりインジェクションに移行していくのかもしれません。
チェンソー初のインジェクション搭載チェンソー、MS500i
それではまた。
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2019-09-20
スチール
> ・ヤマハ発動機が船外機に搭載したHPDI方式。
> ・伊aprilia社が小型スクーターに搭載したDITECK方式。
こんにちは、ひょっとするとヤマハのこの船外機は、私が若かりし頃見たトヨタの2ストローク直噴エンジンの番組のものと同系統かもしれませんね。
トヨタとヤマハ発動機なので・・・
トヨタの自動車には2ストローク直噴エンジン搭載されなかったと思っています。(気が付かなかっただけか?)
スチールMS500iチェンソーはバッテリー搭載していません。
低圧のインジェクションでいいということと、ジェネレーターの発電量が大きいみたいです。
フライホイールにも通常の磁石ではなくネオジム磁石を使用しています。
スターターを引くスピードだけで、エンジン始動する電力すべて賄えるようです。
このシステムが、排気量40ccクラスのチェンソーに採用されると、多くの人が使用できるようになると思います。