今回は、機械についてではなく修理をするときの注意を書いてみます。
昔の話ですが、当店にMK君という人がいました。
車が好きなのでチェンソーなどのエンジン、修理なども好きみたいでした。
ある時お客さんから電話があり、刈払機(草刈機)のエンジンがかからないから見てくれとお呼びがかかりました。
お客さんのところで簡単に直るかもしれないと思い修理を始めました。
何回かスターターロープを引き、まったくエンジンがかからないのでプラグをはずし、プラグから火花が出るかどうか点検することにしたそうです。
火花の点検はプラグをアースしなければいけないので、プラグをシリンダーに接触させ、そしてスターターロープを引き火花が出るかどうか確認します。
そこで事故がおきました。
すでにお客さんが何度もスターターロープを引いていてかぶっていたのです。
スターターロープを引いた瞬間、シリンダーのプラグ取り付け穴からガソリンが飛び出し、プラグの火花に引火して刈払機(草刈機)が燃えたそうです。
お客さんの草刈機を燃やしてしまったことは大変なことですが、他に燃え広がらなく、大事にはいたらなくて本当に良かったです。
この作業の中でMK君は三つのミスを犯していました。
1.ガソリンは引火性が高いということを忘れていた。
2.プラグをはずしたときにかぶっているかどうか、ガソリンでプラグが濡れすぎているかどうか確認を怠った。
3.プラグの火花の点検をする場所が悪かった。
この三つに注意していれば草刈機燃えることはなかったでしょう。
プラグの点検をするとき、どうすれば良いか私が心がけていることを書いてみます。
4.修理するときは(お客さんのところでする場合を含めて)、出来るだけ広い場所、回りに人や燃えやすいものがないところで行います。
5.プラグを取り外したときにプラグがガソリンでひどく濡れているかどうか確認します。
6.プラグが濡れている場合はエンジン内にガソリンがたまっている可能性があるので、ストップスイッチOFFの位置にし機械を逆さまにしプラグ取付穴からガソリンを出します。
その時スターターロープを数回引くとガソリンはプラグ取付穴から勢いよく出てきます。
ガソリンがこぼれ出てこなくなるまでスターターロープを引きます。
(10回も引けば十分だと思います。)
7.コンプレッサーがある場合は、シリンダー内にゴミが入らないようにしてから、エンジンの外側にかかった余分なガソリンを吹き飛ばします。
コンプレッサーがない場合はウェスなどでガソリンをきれいにふき取ります。
場合によってはガソリンが蒸発してしまうまで、しばらく待ちます。
8.エンジン外側についていたガソリンが完全に乾いたら、プラグの火花の点検をします。

↑この写真のようにプラグとプラグ取付穴が接近しすぎていると危険です。

↑プラグレンチなどをシリンダーのフィンなどに差込プラグ取付穴とプラグの距離を十分にとってください。
必ずプラグと接触させてアースをとるようにしてください。
アースが取れていないとイグニッションモジュールの故障につながります。
このようなことを心がけて私はプラグの点検をしています。
これ以外にも注意点はあるでしょう。
ガソリンは引火しやすい、プラグの火花は高電圧、ということを念頭において十分注意しましょう。
これに注意していればこわがることはないと思います。
慣れてくるとこれくらい大丈夫と思いがちですが、それでMK君は草刈機燃やしたのです。
MK君の話を聞いてから私は?~?の事を心がけているのです。
チェンソーや草刈機は刃物ですから切るという事故ばかり考えますが燃える事故もあるということです。
皆さん注意しましょう。
私も気を引き締めなおします。
終わり
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