当時は、トップハンドルチェンソーというと国産のものが数種類ありましたが、お世辞にもパワーがあるチェンソーはありませんでした。
ですからユーザーの方も30ccクラスのチェンソーはあまりパワーがなく耐久性もないというように思っていました。

(1995年発売)
そこにスチールがMS200Tというトップハンドルチェンソーを出してきたので一気に売れたのです。(前回も書きました)
価格は国産機と比べると2~3倍ほどしましたが、性能、耐久性等段違いだったのでプロユーザーほどMS200Tを購入していきました。
そうしていると今度は、MS200Tを使用している方たちの間から、「このチェンソーのリアハンドルタイプがあればいいのに」と言う声があがってきました。
MS200Tが小排気量ながら結構パワーがあるので、このパワーならば枝打や間伐、30cmクラスの杉やヒノキなら伐倒もできるということなのです。
枝打くらいならトップハンドルでも出来ますが、伐倒となるとやはりリアハンドル出なければ作業がしにくいからです。
そして、トップハンドル発売から遅れること2年、世界に先駆けて日本発売となりました。(1997年頃)
当時のカタログ


40cc弱のリアハンドルのチェンソーは国産機でもなかなかいいチェンソーはあったのですが、スチール020チェンソーは35ccなのにそれらのチェンソーと同等以上の性能をたたき出していました。
さらに、国産機は40cc以下のクラスは安全性を犠牲にして自動チェンブレーキが付いていませんでしたが、スチール020チェンソーは自動チェンブレーキ標準装備でした。
※1このスチール020チェンソーも結構売れました。
間伐材の伐倒や椎茸の栽培、竹の間伐など当店では小型チェンソーはほとんどこれに変わったと言っていいくらいでした。
当店では、30ccクラスのチェンソーはスチールのチェンソーばかりになってしまいました。(当店のお客さんはプロの方が多い)
よその販売店ではゼノアのチェンソーもいいということを言っていましたが、当店では取扱もなかったですし、自動チェンブレーキも付いていなかったので、当店の回りではあまり見かけませんでした。
スチール020チェンソーは林業従事者の高齢化に伴い、軽量なチェンソーを市場が求めていたところにうまくマッチしたのでしょう。
当店では一番の売れ筋商品になっていました。
スチール020チェンソーがトップハンドル、リアハンドルでシェアをのばしている時に、1997年秋頃にハスクバーナ335XPTが出てきたのです。
前回も書きましたが、ハスクバーナファンの方たちには待望のチェンソーだったと思います。
そして、前回書いたようにこけてしまったのです。
ハスキー335XPTが出た当時は、当店のお客さんは熱烈なハスクバーナファンが多かったので、020を335XPTが追い抜くと思っていました。
実売価格も5000円ほど安かったですし・・・
そのあとに、333というリアハンドルタイプのチェンソーが発売されました。
335XPTのリアハンドルタイプです。
当店では新発売の時に1台販売しましたが、335XPTの時と同じような不具合が出てしまいました。
このハスクバーナ333というチェンソーはさっぱり売れませんでした。
あまり勧めたくないという気はしていましたが・・・
ハスク333はセールとかもあったので、お客さんにセールのことを教えてもあまり飛びついてはきませんでした。
スチール020チェンソーより2万円位安くしてもあまり売れませんでした。
335XPTからすると333はだいぶ改良されたといっていましたが、厳しくいうとまだまだ全然ダメでした。
またハスクバーナファンからすると242XPというチェンソーがあまりにもいい機械だったので、335XPTには落胆したのでしょう。
ハスクバーナは40cc以上のチェンソーはいいという雰囲気が出来てしまいました。
私も新発売の機械は様子を見るようになってしまいました。
その後のハスクバーナのモデルチェンジに暗い影を落とすことになりました。(私の販売姿勢に)
続く
(この話は当店での話で、私の主観だけで書いています。ご了承ください。)※1チェンブレーキについて日本の法律はおかしいところがあり、チェンソー40ccならば自動チェンブレーキ装備が定められていますが、39.9ccならば付けなくてもいいのです。
0.1cc違うだけで装備するしないが起こってしまうのです。
40ccだろうが20ccだろうがチェンソーならば同じ危険性はあります。
チェンソーならば自動チェンブレーキはすべて義務づけなければおかしいと思います。
メーカーも法律に沿ってチェンブレーキの装備を決めるのではなく、安全性を考慮してすべてのチェンソーにチェンブレーキを装備するべきだと思います。
(今現在もチェンブレーキ装備されていないチェンソーがあります)
チェンブレーキがついていれば100%安全だというわけではありませんが、ついていたほうがいいと思います。
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