先日、346XPチェンソーの焼き付き修理が入ってきました。
エンジンがかからないキャブレターが悪いかもしれないということでした。(ユーザーの診断)
ただ、使用中にエンジンストップしたということなので、焼き付きかなとある程度予想はしていましたが・・・
お客さんがいうには使用中といってもエンジン全開に回していたわけではなく燃料もみんなと同じ燃料で焼き付きではないと思うということでした。
それで私もエンジン始動してみようとスターターを引いてみると圧縮がほとんどないのです。
デコンプしていないのにデコンプ状態のように圧縮がなく、これはやはり焼き付きだと判断しました。
(圧縮があるかどうか判断するために、デコンプをしないでスターターを引きます)
たぶんゴミが入ったかカーボンなどがはがれ落ちて傷が付いたのだろうとこのときは思っていました。
確認するためにまず、マフラーを外します。
シリンダーを外すのが、ピストンシリンダーの傷を確認するには一番正確ですが、面倒なので最初はマフラーからピストンをのぞいてみます。
(これで確認できなければシリンダーを外します。)
確かにピストンシリンダーに傷が付いていましたが、このようなケースは私は初めてでした。

この写真はマフラー側です。
黄色円の部分を拡大します。

ピストンリングの回り止めのストッパーピンです。
これがシリンダーの排気ポートの縁に当たり欠けてしまったようです。
ストッパーピン自体も上側にずれてしまっています。

欠けたところ。
ピストン自体にも縦に傷が付いていました。
分解はしなかったので、シリンダーの傷の状態は確認しませんでしたが、圧縮がなかったのでこちらにもかなりの傷が付いていると思われます。
ここまでで、分かる人は分かると思うのですが、これはミスによって焼き付いたのです。
ピストンの方向が逆向きなのです。(上下ではありませんよ)
本来はストッパーピンがある方はキャブレター側になければなりません。
ほとんどのピストンにはピストンヘッドに矢印の刻印が打ってます。
矢印の方向が排気ポート(マフラー側)側になります。
このチェンソーを以前修理した人が、逆向きにピストンを取り付けたのだと思います。
ピストンシリンダー交換の修理をするときは、この点に注意して組み上げてください。
(それ以外にもありますが、ここでは省略します)
修理をするときは、分解する前にその部品がどのように付いていたかをしっかり観察しましょう。
デジカメなどで写真を撮っておくのもいいかもしれません。
ピストンを逆向きに取り付けてから、一年以上使用していたようです。
毎日使用していたわけではないですが
2ストロークエンジンのピストンシリンダー交換は機械いじりが好きな方ならば、できると思います。
ただある程度の道具と注意点を知らなければこのように壊れることもあります。
分解するときに部品がどのように付いているかしっかり確認し覚えておくことです。
それと申し訳ありませんが、ピストンシリンダー交換の仕方などの問い合わせはご遠慮ください。
メールなどで説明するには大変ですのですみません。
それではまた
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