先日、新ダイワRM250草刈機の排気ポートが半分ほどカーボンでふさがれていたものがありました。
当店ではほとんどのお客さんがハスクバーナの50:1混合オイルを使用しているので、マフラーのつまりや排気ポートのつまりは滅多にありません。
(ハスクのオイルを使用する人が少なかったときは多かったですが)
▼排気ポートのつまりはこちらをご覧ください。チェンソーではまずこのようなことは起こりません。
高回転でまわして使用することが多いからです。
草刈機は中低速で使用することも多く、また使用時間もかなり長くなることもあり、カーボンや煤がたまりやすくなります。
しかし今回の排気ポートつまりはここ数年なかったことです。
ですから、エンジンのふけ上がりが悪い原因をキャブレターだと思っていました。
分解洗浄したり燃料フィルターを交換したりしました。
ハスクのオイルを使用してなぜこのようになったか。
修理中に試運転をしてエンジンストップするときにストップボタンの利きが悪くエンジンストップしないことがありました。
(ストップボタンを長く押しているととまる。)
電気の配線がどこかで切れ掛かっていて、接触が悪くなっている感じでした。
本体側の配線やソケットを見ても不具合はなさそうでしたので、ストップスイッチを分解してみました。
すると案の定、配線が切れていました。
配線は切れていましたが、接触はしたりしなかったりしていたようです。


ストップスイッチが利かないということで、排気ポートが詰まるということはあまり考えられません。
ストップスイッチが利かないということで、お客さんがどのようにしてエンジンをストップさせていたか想像することはできました。
チョークレバーをチョークの状態にしてエンジンをストップさせていたようです。
エンジン稼動中にチョークすると燃料過多になりエンジンはストップします。
しかしこれを長期繰り返すと燃料過多、不完全燃焼で排気ポートやマフラーをカーボンや煤で詰まらせることになります。
お客さんに聞いてみるとやはりエンジンストップにチョークを使用していました。
ストップスイッチが壊れて緊急事態のときはチョークでエンジンストップすることはいいと思いますが、この方法を常用すると詰まらせてしまうので注意が必要です。
速やかにストップスイッチ、配線等の修理をしたほうがいいと思います。
もうひとつ緊急でエンジンストップさせる方法はプラグキャップをはずすことです。
これは草刈機のようにプラグキャップが外にありすぐにはずすことができる場合に有効です。
さて、排気ポートについたカーボンを取り除くには注意が必要ですシリンダー内にカーボンが入らないようにピストンを上死点側にし、排気ポートをふさぐようにします。
そして細いマイナスドライバー等で排気ポートのカーボンを少しずつ取り除いていきます。
このときピストンに傷をつけないよう十分注意してください。
このような状態のときはプラグのほうにもカーボンが付着していると思いますので、プラグも交換してください。
いや、しかし今回の修理は私の先入観が、原因の特定を遅らせてしまいました。
ハスクバーナの50:1オイルはカーボンがたまらないと思い込んでいました。
しかし、ユーザーの使用状況においてはたまる場合もあるということです。
後から考えるともろに排気ポートのつまりの症状でした。
知識と経験は修理箇所の選定や修理スピードを上げますが、思い込みはやはりよくないようです。
アンテナは広く張っていたほうがいいということでしょう。
新ダイワのRM250刈払機(初期型)は燃費が少々悪くそれもカーボンつまりに影響したかもしれません。(現行機も若干燃費がよくないようです)
それではまた。
★RM250、270のユーザーページに今回の修理の詳細(ストップスイッチの修理方法)をアップしました。
実は私もしびれたことがあります。
プラグキャップをはずそうとしてしびれたのではなく。
プラグキャップに穴が開いているのに気づかなかったからでした。
たいしたことはありませんでしたが、ピリッとしてびっくりしました。
昔、学生の頃原付が壊れてエンジンがストップせずに困っていたときマフラーを靴底でふさぎとめたことがありました。
それではまた。