以前、028チェンソーの修理を紹介しましたが、それの続きです。
イグニッションモジュールの不調だと思いましたので、交換することにしました。
かなり古いチェンソーなので部品があるかどうかわかりませんでしたが、運良く取り付けが効くイグニッションモジュールがありました。


青い矢印のマウント部の間隔が重要になってきます。

イグニッションモジュールはかなりコンパクトになっていますが、マウント部が同じなので取り付けることができます。
(取り付けはできるが、後で悩むことになります)
ハーネス(電線)回りが若干変更になっているので、加工が必要でした。

イグニッションモジュールの取り付けは、スペーサーを使用します。
0.3mmほどのプラスティックの板です。
よく名詞などで代用することもありますが、プラスティックなどの硬く厚みが変わらないものがいいかと思います。

フライホイールの青い矢印、磁石の部分をイグニッションモジュールから放します。
そして写真のようにフライホイールとイグニッションモジュールの間にスペーサーを挟みます。

フライホイールの磁石の部分をイグニッションモジュールのほうへ向け、磁石にくっつけさせます。
そして、イグニッションモジュールを固定します。

プラスティックのスペーサーを取り外します。
フライホイールをゆっくり回転させて隙間が大きくなるところではずすといいでしょう。
スペーサーをはずすとイグニッションモジュールとフライホイール磁石部分との間隔は0.3mmとなります。

プラグキャップとスプリングスパークは再利用するので取り外します。
青い矢印部分にシリコン潤滑スプレーをたっぷりかけます。

プラグキャップをゆっくり慎重に引っ張ります。すると写真のように外れると思います。
力任せに引くと青い矢印部分のスプリングスパークが変形してしまうので注意してください。
変形してしまうと元に戻すことは困難です。

これらを再利用します。

新しいイグニッションモジュールのプラグコードは長いので適当な長さにきります。
そして、写真のようにスプリングスパークを取り付けます。
コードに先に穴を少し開けておくと取り付けやすいと思います。

プラグキャップをゆっくりと取り付けます。
シリコン潤滑スプレーがついているので、スプリングスパークが安定しませんが、潤滑スプレーが乾くと安定します。
これでイグニッションモジュールの取り付けは終わりです。
ストップスイッチの配線を確認し組み立てます。
そしてここからが、問題でした。
組み立てが終わり、いざエンジンを始動するとまったく吹けあがらずに、すごく調子が悪いのです。
キャブレターを調整したりしましたが、まったくだめでした。
かなり古い機械、部品の型式が変更になっている。
いやな予感がしました。
もしかして点火時期が違う!
それしか思い浮かびませんでした。
マジー、ここまであちこち点検し、イグニッションモジュールを交換したのに点火時期の違う物。
しかし注文時にはこれしかないと聞いていたので・・・
ひょっとして、このタイプの028には取り付かないのか。
製造年代によって部品などが変更になっているので、同じ名前の型式の機械でも部品が違う場合もあるのです。
かなり古い機械はこのようなことがあるので、修理はしないほうが良かったかも と 脱力感とともにそんな思いがよぎりました。
もともと部品供給の期間はとっくの昔に終了しているのでなおさらそう思いました。
しかし私の不屈の闘志で何とかしなければと思いました。
(本当はここまで手間暇かけたので、後に引きたくないだけでした)
私には強い味方がいるのです。
メーカーの技術サービスの方が控えていてくれるのです。
一応正規代理店をやっていますので、こういうバックアップを受けることができます。
(並行輸入品を販売していると受けられない)
受話器を持ち上げフリーダイアルを震える指で押しました。
『頼む何とかしてくれー』と祈りながら・・・
続く
プラグコードに溝加工する必要はありません。
穴をあけるだけで大丈夫です。
写真の光の加減で溝に見えるのか、古いイグニッションモジュールのほうの写真を使用したのかもしれません。