点火時期が違う、イグニッションモジュール。
スチール技術サービスに電話をしました。
部品が違うのではないかと問い合わせました。
するとこの時期の028はイグニッションの変更が、ポイント式やら電子式やらいろいろと変更になったようでした。
どちらのイグニッションにも対応できるように、なんとフライホイールのキー溝が2箇所切ってあるというではありませんか。
実はイグニッションモジュールの点火時期が違うと思ったとき、フライホイールも交換しなければならないかと思っていました。
さらに部品代がかかるとなると、修理を続行するかどうかユーザーとしては迷うと思います。

フライホイールを抑えているナットをはずしてみると、確かにキー溝が2個あります。

この溝はナットをはずさないと見えないので、フライホイールにキー溝が2個あることに気が付かないと思います。
普通だとフライホイールを注文することになると思います。
それか修理をあきらめてしまうか・・・
メーカーの技術サポートにはこのようにいつもお世話になっています。
さて、フライホイールを取り外すことにします。
打撃式のフライホイールプーラーを使用してフライホイールをはずそうとしたのですが、外れませんピクリとも動かないのです。
普通はこれでだいたい外れるのですが、しっかり固着しているようです。

いろいろとプーラーを取り出してみましたが、合うものがありませんでした。
また、技術サービスの方に聞いてみると、MS260と同じ工具が使用できるということでした。
ハッと気が付きました。スチールのプーラーは筒状のものだったのです。
めったに使用しないので忘れていました。


上の写真のような工具です。

赤い矢印のところにネジ溝が切ってあります。
そこに取り付けます。

このようにセットし、取り外します。
キー溝の場所を変更して取り付けます。
そして組み立てます。
エンジン始動、吹けあがりも良好です。
試し切りもしてみましたが、問題はないようでした。
エンジンを回していても途切れるような感じはなくなったので、やはり火花がうまく出ていなかったのでしょう。
これで大丈夫だと思います。
良かった、ホッとしました。(古い機械はどきどきしますね)
ただスロー(アイドリング)が少し安定しない感じがしました。
これはピストンのスカート部が摩耗しているからかもしれません。
今のところ問題は無いと思いますが、古い機械の場合は、一つのところを修理しても、他が悪くなってくることがあるので注意が必要です。
オークションなどであまりにがたがきている古い機械の場合は、購入後に修理代が多くかかる場合もあるので注意が必要です。
今回、フライホイールのキー溝が2ヶ所あるということに気が付かなければ、修理不能だったかもしれません(お恥ずかしい話ですが・・)
特に古い機械の場合は、私自身あまり見たことがないので、その機械自体に疎いということもあります。
そんなときにすごく助けになるのが、メーカーの技術サポートです。
いろいろと教えてくれるし、また調べてもくれます。
新しい機械の注意点などもいろいろと情報を教えてくれるので、心強い限りです。
これから先、排気ガス規制とうでかなりいろいろな新技術が使われてくると思います。
そうなったときメーカーの技術講習やこのようなサポートがなければ、修理が出来ないかもしれません。
このようなバックアップを受けられるので、販売店としても安心して製品を販売できます。
今このブログを書いていてふと思ったのですが、今回の場合は古い機械の修理の紹介でしたので、あまり問題はないかもしれませんが
新しい機械の修理注意点情報などをブログで紹介するということは、並行輸入業者の方にも情報が行くということになります。
メーカーとしてはひょっとするとそうなることを快く思ってないかもしれません。
情報やバックアップも製品価格に反映していると思うので、『情報漏らしすぎだよ』と思われているかもしれません。
また、特殊工具販売こちらも快く思われていないかもしれません。
私の修理の紹介くらいの情報ならばたいしたことはないかと思いますが、メーカーからの技術資料の公開は少し考えなければならないかと思いました。
メーカー様へもし何かこれはマズイというものがありましたら、ご連絡ください。
すぐに対応しますのでよろしくお願いします。
[C522] No title