スチールMS200Tのオイルポンプ修理がありました。
実はすでに今回で3回目です、しかも12月、1月、2月と3ヶ月の間に起こりました。
最初に言っておきますが、チェンソーの欠陥、オイルポンプの欠陥ではありません。
人為的な原因によるものです。
昔話をしますが、以前MS200はよくオイルが出なくなっていました。
山の現場でオイルが出なくなり、翌日当店で点検してみるとオイルが出たり、でなかったりというものでした。
最初原因がわからなかったのですが、これはオイルタンク内の塗料が剥離してオイルフィルターに詰まってしまうというものでした。
あるメーカーの水溶性チェンオイルを使用すると、スチールチェンソーの塗料が剥離してくるのです。
オイルタンク内の塗料を全部はがしてしまうことによってこの場合の故障は防ぐことができます。
しかしこれは大変な作業になりますので、あまり現実的では有りません。
一番楽な方法はスチール純正のチェンオイルを使用するということです。
しかしなぜあるメーカーの水溶性チェンオイルが塗料を剥離させてしまうかわからずじまいでした。(メーカーでもわからなかった)
他メーカーのチェンソーの塗料は問題ありませんでしたので、相性が悪かったのでしょう。
水溶性のチェンオイルを使用していて、スチールチェンソーのオイルタンク部が金属製で内側に塗料が塗ってある機種は注意が必要です。
塗料が劣化してきているようならば、そのチェンオイルは使用しないほうがいいかもしれません。
さて、長くなりましたが、本題に入りたいと思います。

チェンオイルが出なくなるとソーチェンがこのようになります。

木屑の粉がソーチェンにまとわりついてきます。
そして熱を持ち始め、ガイドバーとソーチェンが焼けてきます。
ソーチェンは動きが悪くなり回らなくなります。
ソーチェンにこのように木屑がつくことが他の原因でもあります。
オイルが正常に出ていても、ソーチェンの目立てが悪いとこれと同じようになることも有ります。
※目立ては重要です。人間でも切れるのこぎりで木を切ると楽ですが、切れないのこぎりで木を切るときついからです。
チェンソーに負担がかかります。
あまり無茶をすると焼きつきの原因にもなります。
今回3ヶ月の間に3回目といいましたが、また同じことが原因だろうと思っていました。
前回前々回も原因を説明し掃除してくださいと伝えていたのですが、伝わっていなかったのでしょう。


細かい切削くずがオイルポンプ自体の入り口で詰まっていました。
※MS200はオイルホースとオイルポンプのつなぎ目によくゴミが詰まります。
オイルが出なくなったときはこの部分を点検することをお勧めします。
今回すごかったのは、普通はコンプレッサーの圧縮空気でこのようなゴミは吹き飛ばせるのですが、硬くて吹き飛ばせませんでした。
針状のものでゴミをつつき壊し、それから吹き飛ばしました。
完全に取れたかどうかよく確認します。
オイルホースのほうも圧縮空気できれいにしておきます。
そして組み立てていきます。
それだけで修理は完了でした。
それではなぜここにこのように頻繁にゴミが詰まるのでしょうか。
それはチェンオイルタンクにゴミが入るからです。
チェンオイルを給油するときにゴミがタンク内に入ってしまうのです。
このチェンソーもオイルキャップ回りにゴミがたくさんついていました。
外側のゴミを圧縮空気で吹き飛ばして、それからふたをあけてみると、粉末状のゴミがキャップの内側にびっしりとついていました。

チェンソーのチェンオイルフィルターは燃料フィルターのように目が細かくはありません。
ほとんどの機種で粉末状のゴミを越し取ることはできないと思います。
燃料フィルターのように目を細かくするとチェンオイルを吸い上げることができなくなると思います。
スチールのチェンオイルフィルターは確かに他のメーカーより若干目が粗いかと思います。


ソーチェンの目立てが悪いとソーチェンの切削屑が粉末状になるので、さらにゴミが詰まりやすくなると思います。
そして切れないソーチェンなのでガイドバーなどが焼けることが多くなると思います。
とにかくできるだけチェンオイルタンク内にゴミを入れないことです。

しかしチェンソーを使用すると必ずゴミは付着していきます。
あるお客さんは携行缶にゴミ落としようのブラシを備え付けて、チェンオイル、燃料給油の際にキャップ回りをブラシできれいにしているようです。
これだけのことですが、チェンオイルポンプの修理がほとんどなくなると思います。
それではまた。
いつもありがとうございます。
確かにはブラシは小さくキャップの隙間などうまく掃除できると思います。
それに廃品利用で一石二鳥です。
細かいことですが、やはりゴミをきれいに掃除することがメンテナンスの基本だと思います。
それでは