前回の続きです。
前回書き忘れたことがあるので、付け足しておきます。

スチール製のソーチェンはドライブリンクに溝が刻んでありチェンオイルがタイストラップに回りやすく設計されています。
オイルポンプを含めこのシステムをオイロマティックシステムと呼んでいます。
このオイロマティックシステムはチェンオイル使用量を50%減らしても大丈夫なようになっています。
▼オイロマティックシステムについてスチールチェンソーの機種によってはチェンオイル吐出量を調整できないタイプのものもあります。
多少は大丈夫だとは思いますが、できるだけスチール製のソーチェンを使用した方がいいかと思います。
調整できるタイプのチェンソーの場合でも他社製ソーチェンを使用する場合は、チェンオイル吐出量を多めにしたほうがいいでしょう。
さて、スプロケットについてです。
オレゴンの総合カタログにもかかれていますが、リム式スプロケットはソーチェンの跳ねと磨耗を低減し、プロ用のシステムとしています。
しかも経済的で、カジュアル(アマチュア)チェンソーに使用してもまったく問題ないと思います。
すべての機種にリム式を採用してもいいと思うのですが、初心者の方にとって若干ソーチェンの取り付けが面倒だったり、メーカーのコスト削減などの理由があるのかもしれません。
リム式はソーチェンが外れた際や破断した際にもソーチェンにダメージを与えにくいようです。
スパー型(星型)スプロケットはソーチェンが外れた際ドライブリンクをたたいて変形させるそうです。
確かにソーチェン破断して継ぎなおしてくれと、依頼がありますがドライブリンクが変形している箇所が多いです。
ですから10~20コマ前後新しいソーチェンと入れ替えることもあります。
切れた箇所だけを繋ぐだけではありません。
ソーチェンが破断した場合についてですが、私の考えとしてはそのソーチェンは使用しないほうがいいと思います。
お客さんがどうしても繋いでくれというときだけ繋いでいます。
しかし危険ですということはあらかじめ伝えています。
また、新しいカッター部と古いカッター部が混在してしまうので、カッター部の長さを古いカッター部の長さに合うように、丸やすりで新しいカッター部を研いでやらなければなりません。
話は変わりますが、スチールのMS210~MS250シリーズにはリム式スプロケットが部品として用意されています。



ただ、スパースプロケットのギアが6個なのに対し、リムスプロケットはギアが7個になってしまいます。
そうすると、リムスプロケットの方がソーチェンスピードが速くなりますが、トルクは落ちることになります。
私が試し切りしても違いは分からないと思います。(メーカーの方もいっていました)
いつも使われているプロの方は違いが分かるかもしれませんが・・・
どちらのスプロケットを使った方が切れ味がいいのかということよりも、切れ味においては目立ての良し悪しの方がはるかに影響があると思います。
こちらのリムスプロケットは近いうちにユーザーサポートページの部品販売にアップしたいと思います。
最後に、リムスプロケットもスパースプロケットも必ず磨耗します。
磨耗したものを長期間使用するとソーチェンの破断等を引き起こしますので十分注意してください。(点検が重要です)
0.5~1mmほど磨耗すると交換してください。
(メーカーにより磨耗度合いによる交換時期が若干違います)
できるだけ早めの方がいいかもしれません。
スプロケットが磨耗しないように硬い材質で作ればいいのかもしれませんが、そうすると今度はソーチェンの方が早く磨耗するようになってしまい逆に危険性が高まることも考えられます。(兼ね合いが必要)
ソーチェン、ガイドバー、スプロケットこの部分は高速で擦れ合っている箇所です。
こまめに清掃し、点検するようにしてください。
それではまた。
コメントの投稿