先日、非常に大変な修理がありました。
見た目はきれいに掃除してあったのですが、かなり古い初期型の254XPでした。

本当にきれいに洗浄していました。


エンジンがかからないとのことでしたが、うちで試運転をしてみるとすぐにエンジンがかかりふけあがりもなかなかよく、少し回転があがりすぎるかと感じるくらいでした。
しかしキャブレター調整していくと、回転が安定しなくなりエンジンの始動性もどんどん悪くなってきました。
燃料フィルターを交換しても燃料の供給が若干悪い症状を示していたので、キャブレターが悪いようだったので分解してみることにしました。

キャブレターを分解してみると中がさびていました。
このように錆びていると本来ならキャブレター交換したほうがいいのですが、キャブレターの価格は16000円前後します。
錆びの小さな塊がきゃぶれたーの細い穴をふさいでしまうと取り除くことは不可能です。
ふさいでいないことを祈りつつ錆びた部品を交換し、それとポンプダイヤフラムを交換しました。
キャブレターを取り付け試運転してみると燃料の供給はうまくいっているようです。
しかしまだまだエンジンの始動性が悪く安定していませんでした。
イグニッションコイルを点検することにします。
▼テストプラグを使用します。
テストプラグはイグニッションコイルの能力を点検できます。
ただ、コイルが温まってから出る不具合まではわかりません。
コイルが温まるまでチェンソー使用してからテストプラグで点検するしかありません。
※裏技
コイルが温まるまでエンジン始動しているのは、かなり時間がかかるのでドライヤーでコイル自体を暖めたりするそうです。
(これでもわからないことはあるそうです)
今回はイグニッションコイルの能力も落ちているようだったので、中古のイグニッションコイルと交換しました。
これで、何とか調子よくなってくれると助かるのですが・・・
やはりあまりよくありません。
エンジン始動性も少しは良くなったのですが、まだ本調子ではありません。
エンジンがかかれば回転のほうはずいぶん安定してきましたが・・・
これは、もうピストンシリンダーに少し問題があるとしか考えられませんでした。

ピストンシリンダー分解してみると少し傷がついていました。

ピストンの傷。
ピストンを交換すれば直るかもしれません。ピストンは12000円前後します。
シリンダー一式交換すると44000円前後します。
私がこのチェンソーのユーザーならば、残念ですが修理はしません。
上記に書いたようにキャブレターも錆びていたし、電気系統も悪い、それにかなり古く耐用年数は過ぎていると判断したからです。(かなり使い込まれている)
ピストンシリンダー交換せずそのまま組み立てました。
エンジン何とか始動するし(かけるのにテクがいりますが)パワーは落ちているでしょうがそれなりに、使うことはできると思います。
このチェンソーかなりきれいに洗浄していましたが、中古を購入したそうでした。
オークションで購入したようですが、それでこんなにきれいに洗浄していたのだと納得しました。
いくらで購入したかわかりませんが、ここまで使い込まれていたらやはり5000円ほどでしょうか。(オークションの中古相場がわからないので、私が出せる金額最高額です。うーん実際自分が買うと考えると5000円は高すぎるかも)
チェンソーの中古は難しいと思います。
当店でも中古をたまに販売しますが、ほとんどメーカーからの中古品です。
(メーカーが修理点検した程度のよい中古品)
チェンソーは車やバイクとは違い、仕事に使うものです。
車などはまだ十分に乗れるものでも新型車が出たということで、中古市場に出てくる車が多いと思います。
しかし、チェンソーではそのようなことはないと思っていいでしょう。
中古市場に出てくるものは、ほとんど使い込まれたものだと思います。
ただ掘り出し物があるのも確かです。
前々回に紹介した242XPの焼きつき修理ですが、このチェンソーもかなり古いチェンソーでしたが、ほとんど使用していなかったようです。
ひょっとすると実働1~2週間くらいだったのかもしれません。
焼きつき修理の前に、以前燃料ホースなどの消耗品を交換点検したのですが、磨耗している個所がほとんどなく、あまり使用していないということがすぐにわかるくらいでした。(その後半年くらいで焼きつきの修理をした)
この242のように販売した時期は15年以上前でも使用頻度が少なければ、焼きついてもピストンシリンダー交換するのに躊躇しません。
ピストンシリンダー交換すれば元に戻ると思うからです。
要するにピストンシリンダー以外のその他多くの部品がまだヘタっていないからです。
チェンソー中古は実際に手にとって見ることができればある程度の判断はできると思いますが・・・
そういうことで難しいのではないかと思った次第です。
上記写真でクランクが煤で真っ黒になっていますが、これについてはまた別の場所で説明します。
それでは。
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