カーツ刈払機メロディーの修理がありました。

修理を担当したのは私ではなかったのですが、外野から見ていてきづいたことがあったので進言するとそれが原因でした。
自分が修理をしていたら気づかなかったかもしれません。
外野から見ていると気が付くこともあります。
エンジンが掛からないということで、プラグ点検、
▼テストプラグでイグニッションコイル点検、キャブレター分解点検、ピストンシリンダー分解点検と進めてみてエンジンが掛からない原因がわからず。
ピストンシリンダー内が汚れていて(粗悪な燃料、カーボンなどで)エンジンが掛からなかったのかと思い、各部をきれいに洗浄後組み立てたようです。
しかし、エンジンはかかりませんでした。
普通はこの状態になるとハマってしまいます。
ピストン、ピストンリング、シリンダーが磨耗しているのとか。
(しかしある程度の圧縮はある)
イグニッションコイルの能力が弱いのかとかいろいろと考えてしまいます。
私は外野から見ていたので冷静に不具合の可能性を考えることができました。
ピストンシリンダーひどく磨耗していない(圧縮はある)
キャブレターもキチンと燃料を供給している。
プラグもイグニッションコイルも正常のようで火花も確認できる。
燃料も入れ替えた。
空気も正常に流入している。
これで、うんともすんともいわないのはおかしい。
少しくらいはエンジンがかかってもいいはずです。
刈払機などの2ストロークエンジンは仕組みが簡単なので簡単な点検箇所もそんなに多くはありません。
私は点火時期がおかしいのではないかと思い進言してみると




フライホイールがずれていました。
今現在の刈払機のフライホイールは半月キーが一体型になっていることが多くこの部分が壊れやすいかと思います。
(滅多に壊れることはありません、昔のタイプに比べると壊れやすいかと思う)
刈払機の場合フライホイールを介して動力を伝達しているので、草刈作業時に刈刃にショックを与えるとフライホイールのキーもいためることになるかと思います。(滅多に無いことですが)
滅多に無いことなのでフライホイールのキーが悪くなっていると気が付くのが遅れます。
いろいろと他の所を点検することになってしまいます。
フライホイールを新品に交換すると問題なくエンジン始動しました。
いろいろな所を点検してそれでもエンジンが掛からないときはフライホイールのキーも点検してみるといいかと思います。
必ずしもここだけが原因ではありませんので注意してください。
オイルシールが悪かったり、クランクが悪かったりその他の所が悪いことも多々あります。
最後にカーツというメーカーはあまり知られていないかと思います。
しかし草刈機業界ではなかなかいい機械を作っていると思います。
カーツは自動車(レース用)などのデフやギアを作っている会社でもあります。
草刈機のギアケース(草刈機の先端)なども他の草刈機メーカーに供給していたりもします。
(ギアケースの製造ではトップクラスかも)
お勧めはUP270ALという刈払機で、25.4ccの排気量、プロ用で最軽量だと思います。
エンジンは三菱製で信頼性、パワーもあると思います。
質量からすると25cc以下クラスの他社製刈払機と同程度の重量で25cc以上のエンジンが付いているので、軽さとパワーをうまく両立させているかと思います。
発売当初はやはり軽量化のために弱い部分(欠点)もありましたが、発売3年目になりましたので欠点も改良されてきています。
カーツUP270AL刈払機を25cc以上クラス最高の耐久性とはいいませんが、同じ質量では一番パワーのある刈払機のひとつだと思います。
▼UP270AL▼カタログ
私のところではあまりキーがなめてしまう修理は入ってきません。
刈払機自体プロ機の販売がほとんどなので、フライホイールも若干丈夫なのかもしれません。
ただ、ナイロンカッターを使用する人が増えるにつれて、刈払機の故障(特定の個所)も増えてきているようです。
ナイロンカッターの使用頻度が高い人など30cc前後クラスの刈払機を勧めるようになりました。