オイルについてはもう何度も書いています。
同じことの繰り返しになるかもしれませんが、やはりオイルは重要なのでこれからも知らせていくつもりです。
今回の修理も実は7月の頃の修理でしたが、なかなかブログのほうへ書くことができずにいました。
※修理の写真今までかなり撮影してきましたが、半分以上はお蔵入りです。
修理しながら写真撮るのはめんどくさいし、時間が掛かる・・・
しかし今回の修理は珍しいものだったので、写真を撮っておきました。
新ダイワチェンソーの焼き付です。
私の判断ですが、混合オイルによる焼きつきだと思います。

シリンダー吸気ポート側に傷がついていました。

ピストンクラウンの縁と1箇所立てに傷が入っていました。
症状はエンジンまったく掛からない。
圧縮がなくスカスカの状態でした。
吸気ポート側だったのでゴミを吸い込んだのかと思いましたが、原因は違うところにあったようです。(私の判断ですが)

ピストンクラウンに何かが当たったような後とピストンクラウンに堆積した煤がはがれた後。


プラグにたまったカーボン(煤)が剥がれ落ちて、傷をつけたのだと思います。
青い矢印はたまった煤です。赤丸のところにたまっていた煤が剥がれ落ちたと思います。
プラグを点検、清掃していれば防げたかもしれません。
今回この煤が剥がれ落ちただけでいきなり圧縮がなくなったわけではないかもしれません。
長い年月煤の汚れでシリンダーが研磨されていたかもしれません。

ピストンピンのところにもタール状とまではいきませんが煤がかなり付着しています。
これはポリブデンという添加剤の影響なのでしょうか。
ポリブデンは排気ガスの白煙を少なくしてくれる添加剤ですが、クランク室側のベアリングなどにねっとりと付着していくそうです。
これを添加すると簡単に排気ガスの白煙をおさえることができるので、オイルの品質グレード検査にパスしやすいとか言うことも聞きました。
(正確な情報ではありません)
スチールではこのポリブデンという物質もテストしたようです。
026というチェンソーでテストしたということなので、10年以上前のことのようです。
そのときもやはり白煙を抑えることはできるが、ベアリングなどに蓄積してあまりよくないということでした。
スチールの2ストロークオイルHPスーパーはロースモークタイプですが、ポリブデンという添加剤をあまり使用していないのかもしれません。
(企業秘密で添加剤等教えてくれないそうです)
ハスクバーナの2ストロークオイルもロースモークタイプですが、今まで修理してきた中でこのようなねっとりとした症状に出くわしたことがないので、違う方法でロースモークタイプにしているのかもしれません。
ハスクバーナももちろんのこといろいろと研究しているでしょう。
話は変わりますが、スチールの4Mixエンジンは4ストロークエンジンですが、混合ガソリンを使用します。
指定のオイルはHPスーパーとなっています。
近頃BR600の修理がありました。
あまりグレードの高いオイルを使用していなかったようです。
カム回りがねっとりとしていました。
修理が大変でした。
力がない方は大きい道具を使わないと分解できないと思います。
ただ、修理が終わってもっと簡単な方法で修理ができるかもしれないと思いました。
同じような修理がきたときは今度試してみたいと思っています。
当店のお客さんはハスクバーナの混合オイルを使用している方がほとんどです。
今のところスチール4Mixエンジンで不具合は起こしていませんので、大丈夫だと思います。
ただ、BR600ユーザーの方から、やはり4Mixエンジンにはハスクバーナ混合オイルよりもスチールHPスーパーのほうがいいみたいだと聞きました。
自社の機械に合うように設計しているのかもしれません。
しかし、1リットルで実売価格差が倍近くあるので購入してくれる方は限られています。
※スチール4Mixエンジンを使用している方はいい混合オイルを使用してください。
スチールは自社製HPスーパーを推奨しています。
スチールにはHPスーパーよりも性能がいいHPウルトラという商品があります。
日本未発売です。
日本発売するかどうか問い合わせてみましたが、1Lの価格がかなり高くなるので輸入販売する予定はないとのことでした。
1リットル5000円位したりして・・・
ハスクバーナにもXPというオイルがあります。
こちらも日本未発売です。
日本で販売されているのはLSというものです。
ハスクバーナはHP、LS、XPというグレードがあります。XPが一番上。
日本で発売しているのは2番目ということになります。
話を戻しますが、使用するエンジンにかかわらずいい燃料、いい混合オイルを使用するようにしましょう。
価格は若干高いかもしれませんが、50:1で混合できるので意外とコストパフォーマンスもいいかもしれません。
プロの方や業者の方は燃料の使用量が多いので、安い混合オイルを使用するところが多いですが、粗悪なオイルを使用することで逆に修理代などがかかりコストが掛かることになりかねません。

(特殊工具がないとピストンピンがはずせません)
最後に注意点を
ハスクバーナは1種類のオイルしか販売していないので問題ありません。
スチールは数種類のオイルを販売しています。
お勧めはHP、HPスーパーです。
また、いいオイルを使用していても、定期的にプラグや燃料フィルターなどは点検するようにしてください。
特にこれから、ハスクバーナやスチールのオイルを使用する方は、使用する前に必ずプラグを点検してください。
できれば新品のプラグに交換することをお勧めします。
それでは。
ハスクバーナ50:1オイルは始動性がよくなるといわれています。
以前技術の方が洗浄剤が添加されているといっていたので、その効果が少しずつ出てきたのかもしれません。
※洗浄剤が添加されているか、汚れがつきにくいか正確な情報ではありませんが・・・記憶が薄れています。
ハスクバーナ、スチールのオイルに変更される方には新品のプラグに交換されることを勧めています。
始動性がよくなるのを実感できると思いますし、焼きつき防止にもなると思うからです。
エンジンの始動性が悪くなるのはあと、ガソリンの保管状態、古い燃料によることも考えられます。
燃料については意外と無頓着な方がいます。
長年使用すると機械の寿命に影響が出てくることは避けられないと思います。
今回は貴重な情報ありがとうございます。
私がオイルのことについて説明すると宣伝が入っていると思われがちになりますが、飛魔人さん(実際のユーザー)が言ってくれるとかなり信憑性が高くなります。
それではこれからもよろしくお願いします。