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スチール038チェンソー焼付

スチール038チェンソーの焼付き修理が入ってきました。
修理するかどうかはまだ分かりませんが・・・

このチェンソーはルートカッターとして使用していたものを今年の1月にガイドバーソーチェンなどを交換して普通のチェンソーとして使えるようにしました。(動かなかったので修理もしました。)

ルートカッターからチェンソーに変更するには意外と大変です。
何が大変かというと洗浄することが大変です。

ソーチェンは砂土がついていると一発でダメになります。
ですから、徹底的に清掃しなければなりません。

歯ブラシで細かい所に入り込んだ土を丁寧に落としました。

古いチェンソーですがあまり使用していませんでしたし、ガイドバーなども今年の1月に変えて数回使用しただけのようです、


実は最初焼付だとは思いませんでした。

プラグを外してみて真っ黒だったのでススがつきすぎて火花が出ていないと思いました。



テストプラグで火花を点検、イグニッションコイルは大丈夫。
新品のプラグを取り付け、スターターを引いても始動せず。

かぶったはずなのでもう一度プラグを外してみるとプラグが真っ黒になっていました。

これは燃料が真っ黒だと・・
真っ黒になっている原因は・・・
最悪の事態です。

金属粉で真っ黒になっているのでした。



シリンダーのプラグ取り付け穴から吸い込みすぎた燃料を出してみるとこの状態です。

金属粉とススで真っ黒です。

マフラーを外して点検しました。





見事に焼きついていました。

この焼付きの状態から、何が原因だと皆さんは推測しますか。

ピストンの排気側が満遍なく傷ついています。

まずは燃料を疑います。

そしてキャブレター

エアをかんでいないかどうか。

という所でしょうか。

今回はキャブレターでした。
キャブレターの不具合ではありません。
キャブレターの調整ミスです。

こういう言い方をすると棘があるかもしれませんが、焼付き修理は金銭的にもかなり負担が掛かるのであえて強く言います。

なまじ知識があるとキャブレターを調整してしまいます。
中途半端な知識しかないと自分で思うのならばここは調整することはやめた方がいいです。

LAやTと記してある調整ネジはアイドリング時のエンジン回転数調整なので、いつ調整してもかまいません。

LやHの調整は注意が必要です。
というより当店ではお客さんに、ここは触らないでくださいといっています。

ユーザー・サポート・ページでもそのようにしています。

LとHはキチンとメンテナンスしていればほとんど調整することはないと思います。

どうしてもこの調整をしたいときは、あることをやってから行います。
ほとんどのチェンソーの取扱説明書に書いてあると思います。

もう一度読んでみてください。


キャブレターの調整ネジは特にHは魔法のネジみたいに思ってしまいます。

燃料フィルターやエアフィルターが汚れていてチェンソーの調子が悪くなっている時に調整すると吹けが良くなったりします。

エアフィルターが汚れると燃料過多になるのでエンジン回転が上がらなくなります。
(コンペンセーターがあれば解消するのですが)

Hを絞って燃料の流量を減らすと空気の量とバランスが取れてエンジンが吹け上がるようになります。

スチール038チェンソーのキャブレター標準調整はL,H各々1回転です。
この038はHが1/4回転も開いていませんでした。

エアフィルターの汚れがひどいままならばパワーダウンだけですんだかもしれません。

いや、1/4まで絞るとオイルが足らなくなったかもしれません。
ハスクバーナのオイルを使用していたと思うのですがさすがのハスクバーナのオイルでも焼きつきを防ぐことはできなかったのでしょう。


エンジンが吹け上がらない、調子が悪いときはまず最初にエアフィルター、燃料フィルターを点検洗浄することです。
燃料フィルターは洗浄することが難しいので新品と交換することです。


今までキャブレターの調整で焼付いたチェンソーを何台も見てきました。
だから、新しくチェンソーを販売するときはキャブレターHとLの調整は触らないでくださいといってきました。

調整する場合は必ず取扱説明書を読んでからにしてください。


ここまでシビアにいいましたが、今現在のキャブレターはHを絞っても焼きつくことはほとんどありません。
セミフィックスジェットタイプがほとんどですし、調整ネジにもリミッターーがついています。

今回の038は古いチェンソーなのでキャブレターの調整がダイレクトになっているので注意が必要です。


古いタイプのチェンソーをお持ちの方はキャブレター調整十分注意してください。


※焼付きはキャブレターの調整よりも燃料の良し悪しでの修理の方が多いです。

焼付きは悲しい出来事です。

それでは。



※追加
1.キャブレターの調整はガイドバー、ソーチェンを取り付けた状態で行います。

2.エアフィルターと燃料フィルターがきれいであること。

3.良質の燃料を使用すること。
高性能なチェンソーは15000回転以上で回る機械もあります。
ハスクバーナやスチールの高性能混合オイルの使用をお勧めします。

量販店の安い混合オイルを使用した場合焼付く恐れもあるので注意してください。

▼オイル

4.できればデジタル回転計を使用する。
キャブレターの基本調整と使用しているチェンソーの最高回転数を調べておくこと。
※取扱説明書、またはご購入店へお尋ねください。
※当店への最高回転数お問い合わせはご遠慮ください。
当店ユーザーはユーザー・サポート・ページをご覧ください。

※国産チェンソーは最高回転数公表していない場合もあります。

▼デジタル回転計



調整しすぎてわけがわからなくなったときは一度右にゆっくり回し完全に閉めた状態から左に回して標準設定に戻してください。

それでは。


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    [C929] No title

    返答が遅れ申し訳ありませんでした。

    おそらく038のオイルポンプギアは在庫がないと思います。
    (メーカーパーツ注文できない状態でした)

    お近くのスチール取扱店さんがないということならばたぶん終了だと思います。

    お力になれず申し訳ありませんでした。
    • 2013-03-13 14:09
    • チェンソーヤ
    • URL
    • 編集

    [C927] No title

    お初ですが、宜しくお願い致します。当方、スチール製038ルートカッターを現役で使用しておりますが、チエンオイルが出ないので分解してみた所、スプロケ側の共締めギアが溶けて歯の残骸がカバー内にこびりついておりました。オイルポンプ側のウオームは多少の刃こぼれがあるものの形が残っていました。部品検索のページを見ただけなので(素人ですから)はっきり分かりませんが、多分 部番 1119 642 1501 spur gear が欠損しているらしいのですが、まだ部品は出るのでしょか?地元の農機屋さんは無いらしいと言っていますが。

    [C595] No title

    たくさん、こんにちは
    スパー式クラッチドラムはソーチェンを傷めやすいです。
    ソーチェンが外れたときにドライブリンクをたたきやすく変形させてしまいます。

    リム式クラッチドラムはソーチェンに負担をかけず、いためることも少ないです。

    このブログにもリム式クラッチドラム(リムスプロケット)のことについて書いてありますのでよろしければそちらも参照してみてください。

    検索窓から検索できます。
    • 2010-09-23 10:43
    • チェンソーヤ
    • URL
    • 編集

    [C594] No title

    コメントへの返信 ありがとうございます。チエンソーの不調で作業中 2度チェンがはずれチエンキャッチャーに助けられられました。チェンがはずれるとドライブリンクに傷がつき 平やすりでバリをとらないといけないことがわかりました。日々勉強です。
    • 2010-09-22 22:05
    • たく
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    • 編集

    [C593] No title

    たくさん、こんにちは
    キャブレターのリミッターが付きだしてかれこれ10年以上になるかもしれません。

    最初の頃はめんどくさいと思っていましたが、今ではあまり気にならなくなりました。

    実際のところ運がいいのか、リミッターを壊して調整することが、滅多にないからです。

    また、最高回転数を追い込んで調整することがなくなったからかもしれません。

    今のチェンソーはトルクバンドが広くなり、追い込まなくても実用回転数でパワーが出やすくなっているからです。

    ハスクバーナの242XPは最高回転数をシビアにセッティングしなければ実用回転数で十分なパワーが出ないということがありました。

    しかし、その後継機種の346XPは最高回転数を押えても実用回転数でパワーが出やすくなっているそうです。
    (使いやすいチェンソー)


    将来はキャブレターの調整ネジはなくなってくると思います。
    排気ガス対策で電子制御のシステムがチェンソーにも搭載されてくると思います。
    • 2010-09-22 09:46
    • チェンソーヤ
    • URL
    • 編集

    [C592] No title

    奈良にてスチールMS211Cを使っています。最近 エンジンの吹き上がりがよくなくて近くのスチールチエンソーのプロショップで修理してもらいました。キャブレターの調整してもらいましたがその際 ねじ調整では回復せず エアクリーナー部品をはずしH(高速調整スクリュー)のリミッターをニッパーで切り取りエアクリーナー部品を戻してから 再調整して吹き上がりがよくなり 修理完了しました。ショップのご主人によれば排ガス規制のためHにリミッターがつくようになったが修理する側からいえばじゃまになっているとのことでした。北九さんの詳しい解説 いつも勉強になります。
    • 2010-09-20 21:13
    • たく
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