もう並行輸入品について、書くことはやめようと思っていたのですが、メールでの問い合わせや実店舗でも聞かれることがあるので書いてみることにします。
並行輸入品のことを書くといろいろといわれることもあり、快く思っていない方も少なからずいるようなので、この件に関して触れるのはやめようと思っていました。
並行輸入チェンソーに対する当店の方針を少し変えようと思っている事、それがどういう理由なのかという事をきれいごとを交えながら書いてみたいと思います。
並行輸入品かなり安いです。
当店の仕入れ値より安いものもあります。(ほとんどそうかも)
USAから輸入していると思われますが、USAはもともと安く台数まとめればもっと安く仕入れられるのかもしれません。
以前お客さんから当店も個人輸入して販売すればと言われたこともあります。
USAに親戚がいるので、輸入できるかなとも考えましたが、PL法やいろいろなことを考えると出来ないと思いました。
すでに何度か書いていますが、並行輸入品にも当然PL法は絡んできます。
たとえ販売販売業者が販売時に「自己責任でお願いします。責任は負いかねます。」と謳っていても逃れることは出来ません。
個人輸入販売だろうと並行輸入業者だろうとPL法の責任は必ず掛かってくるそうです。
ただ、エンドユーザーの方が訴えて裁判に勝ったとしても賠償金が支払われるかどうかはわかりません。(ない袖は振れない)
エンドユーザーは泣き寝入りになる可能性は高いです。
もし、このブログをみている並行輸入販売に携わっている方は、ぜひPL法保険に入ることをお勧めします。
何かPL法問題が起こったときなど保険が降りるようです。
また、PL法保険に入っているなどアピールすることができると思います。
お客さんにも安心感を与え、販売促進につながるのではないでしょうか。
チェンソーは危険な道具なので、PL保険は必要かもしれません。
購入する側もPL法保険の加入の有無を尋ねてからの購入がいいかもしれません。
(大きなお世話かもしれませんが)
この辺のことは当ブログで過去にも書きましたので右上の検索窓で「並行輸入品」で検索してみてください。
後もう一つ法律的なことで気になったことをあるサイトで見たのでそれもお知らせします。
エンドユーザーが会社だった場合です。
または、個人だがチェンソーを仕事で使用している方です。
労災についてです。
これまで労災保険は並行輸入品で怪我した場合は保険が下りないことになっていました。
ただ、チェンソー複数台所有し正規輸入品も所有していればどれで怪我をしたかなどわかりません。
(科学捜査班並みの調査をすればわかるかもしれませんが)
悪く言えば、並行輸入品で怪我をしても正規輸入品で怪我をしたと保険を請求し保険が下りるということになります。
しかし、今度からは厳しくなるようです。並行輸入品を一台でも所有していたら例えその怪我が正規輸入品で怪我をしたとしても労災保険は下りないそうです。
厳しく追求するようです。
※私は労災保険は労働に従事している方を助けることになるので支払ったほうがいいと思うのですが・・・。
労災保険の掛け金を上げるなどの罰則のほうが良いのではないでしょうか。
※こんなことを書いていますが、実際の労災保険の規定は労働基準監督署に問い合わせたわけではないので正確な情報ではないかもしれません。
詳しい方がいらしたら教えていただければ助かります。
従業員の方がいる会社を経営していて並行輸入品を使用している方は、労働基準監督所か労災保険のところへ問い合わせてみたほうが良いかもしれません。
(毎年少なからずチェンソーの事故の話を聞きます。)
私は法律のことに詳しくありません。
今まで書いてきたことが正しい情報かどうかもわかりません。
とても無責任だとは思いますが、司法のほうからも労災に関して取締りを強化するという記事を読んだのでお知らせした次第です。
気になる方は調べてみてください。
事故が起こった後で知らなかったですめば良いですが・・・その可能性は低そうなので・・・
法律に関してはこれくらいにしておきます。
次は並行輸入チェンソーについての当店のスタンスです。
まず当店は並行輸入チェンソーの販売はこれからもするつもりはありません。
※危険性のないTシャツや帽子などは並行輸入するかもしれませんが
並行輸入品の価格は、正規品を仕入れる販売店にとっても魅力的な価格です。(円高の影響もあるでしょう)
外国との価格差はかなりあると思います。
しかし、日本での販売台数の少なさと、流通、アフターサービスにかかるコストなどで仕方のないことかもしれません。
(国産プロ用チェンソーも同じ価格帯なので)
このあたりのことも過去にこのブログに書いているので割愛させていただきます。
次に、並行輸入品の修理も引き受けることにしました。
ただ、ネットからの修理は現物の機械を見ることができないので引き受けることはしません。
実店舗へ持参できる並行輸入品チェンソーだけしか対応しません。
当然日本に輸入していないチェンソーの修理は引き受けることはできませんし、部品供給終了しているチェンソーも修理引き受けることはできません。
また、気が向かない場合も引き受けないかもしれません。[:びっくり:]
並行輸入品の修理を引き受けることにしたのはなぜかというと、スチールの日本の社長が並行輸入品でも修理引き受けてくださいということらしいのです。
それと他の販売店では並行輸入品チェンソーでも使用している人は困っているので引き受けているということでした。
それを聞いて私も修理は引き受けなければならないかなと考えるようになりました。
ただ、先ほども書きましたが実店舗に持ち込んでくれる修理機だけの対応になります。
修理できるかどうか見てみないと分からないからです。
それと修理件数が増えると手に負えなくなるかもしれないからです。
スチールの並行輸入品に関しては、メーカーから部品の供給は受けやすいと考えていいでしょう。(今後メーカーの方針がどう変わるかは分かりません)
それとこれはあくまでもメーカーの考えと当店の考えであるので、すべてのスチール取扱店が並行輸入品でも修理するというわけではないので注意してください。
販売店はメーカーから技術指導など受けています。
メーカーはいろいろな費用を販売店にかけてくれています。
我々販売店はそのような情報を使ってサービスをしていかなければなりません。
部品を供給するということは部品をストックしなければなりません。
スチールの社長と商品の話をしたときのことです。
すでに海外で販売している商品を日本にも入れてほしいと話したのですが、意外と大変だそうです。
部品の在庫数十年する覚悟、技術情報などそろえる覚悟など決断がいるとのことでした。
私は軽く考えていました。
日本発売の製品を輸入する際に、未発売の商品も数台くらい輸入できるのではないかと思っていました。
アフターサービスのことを考えるとそう簡単にはいかないということです。
部品のストック、販売店への技術指導やはりそれなりにコストは掛かっているのでしょう。
コストは掛かっている・・・
ではこのコストは誰が負担しているのか。
メーカーが負担していると考えがちですが、実際は正規品を購入しているユーザーが負担しているということになります。
並行輸入品チェンソーが故障し修理することになれば、少なからず正規品ユーザーが某かの負担をしていることになります。
それを考えると並行輸入品の修理は正規品購入ユーザーに申し訳ない気がします。
今年は新製品販売ラッシュです。メーカーの技術講習会も多くあると思います。
私も参加するつもりですが、その費用はどこからでているのか。
あまり考えすぎたら何も出来なくなります。
ここで買って良かった。
と思われるように頑張ることにします。
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2011-02-18
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並行輸入品の価格や、欧米諸国の安全基準を満たした国産チェンソーなども魅力的ではあります。
しかし、技術情報、部品は正規輸入代理店(以下メーカーとします)の助けを受け仕入先は並行輸入という事はなかなか出来ないと思います。
技術情報がなければこれから先の新型機械を販売することは厳しいかと思います。
私は新発売の機械はあまり売り込みをしません。
以前は新商品が好きで新発売と同時に売り込んでいましたが、不具合が合った時にあまりに機械のことを知らなかったので、大変な思いをしたことがあります。
今ではしばらく様子を見たり、メーカーの技術講習会が終わった後でないと勧めようとは思わなくなりました。
技術講習以外にも私はよくメーカーへ質問します。
メーカー担当の方は鬱陶しく思っているかもしれません。
機械商品や危険の伴う道具はやはりしっかりした後ろ盾がないと怖いと思います。
ちょっとした小物や道具は大丈夫だと思います。
私もそのあたりは輸入しても面白いかなと考えています。
日本にはない帽子やウェア、面白い目立ての道具など
少し話は変わりますが、1、2年前くらいにヨーロッパのベビーカー(乳母車)で指を挟むという事故があったと思います。(かなりひどい怪我をした赤ちゃんもいたと思います)
正規輸入業者は対策部品を提供したりしていました。
ただ、並行輸入業者から購入したユーザーからの問い合わせも多かったようで対応できないようなことを何かの記事で見た気がします。
この商品は並行輸入で同じ商品がやすく販売されていたようで、数も多く出ていたようです。
(サイベックス社とマクラーレン社)
http://www.yamaguchi.net/archives/006760.html
http://www.recall-plus.jp/info/11782
同じような事例ですが、対応方法は違いました。
販売台数の違いもあるのでやむをえないと思います。
チェンソーでも対策部品やクレーム修理など少なからずあります。
並行輸入品ならばやはりこれらは我慢しなければならないのでしょうか。
並行輸入業者から自己責任といわれているのならば仕方のないことかもしれません。
代理店会議で聞いた話なのですが、並行輸入チェンソーを使用していて、壊れたら新しいのを買うというスタンスの方がいるそうです。
ランニングコスト、作業性、修理に掛かる日数などを考慮してこの方法がいいと判断されたのだと思います。これも一つの考え方、方法ではあると思います。
商品の流通の方法はいろいろあると思います。
ユーザーに安く提供するということも間違いではないと思います。
以前は日本のメーカー並行輸入に比べると仕入れ高すぎるなどと思っていたので、チャンスがあれば並行輸入品を売ろうと思ったりもしました。
しかし、今はその考えはありません。
1.情報の入手、部品の入手。
2.後ろ盾。
3.当店に来るお客さんは正規品を求めている。
というところでしょうか。
そして、本当のところは根が小心者なのです。
それでは。