前回の続き
ハスクバーナトップハンドル新発売当時
このときの新製品発表会は意外と盛大だった記憶があります。
プルナー、スタンプグラインダーなど他にもいろいろと新製品があったような気がします。
話は少しそれますが、プルナーもスタンプグラインダーも今は販売終了しています。
プルナーなど性能は良かったのですが、ニーズや価格の面で市場に受け入れられなかった感があります。
スタンプグラインダーはコンセプトは良かったと思いますが、いかんせんコントロールが難しく危険性が高かったと思います。
おりしもPL法とかもあったかもしれません。
スタンプグラインダーのデモは楡金さんがやりました。
強引なデモでした。(楡金さん元気にしているかな)
このときの会議ではやはりトップハンドルチェンソーが注目でした。
スチール020Tチェンソーに対抗するハスクバーナ335XPTチェンソー
ハスキーの愛称とともにハスキー犬のヌイグルミもありました。

排気量35ccなのでパワー的には020Tと遜色ありませんし、質量も同じガイドバーの長さが35cmでした。(少し長すぎ)
デザインはいい感じでした。
これは意外と良いかもしれないと思っていました。
ただ、エアフィルターが貧弱だったり、少し気になる点もありました。
当時はすでにスチール020Tチェンソーがかなりの台数でていたので、ハスクバーナの335XPTに入れ替えるという気はあまりありませんでした。
(これが少し助かった結果につながった?)
020Tの評価が高かったこともありましたし・・・
ハスクバーナ335XPTは後発だったということもあり、スチール020Tより実売価格5000円ほど安く設定していました。
また、ハスクバーナというだけで購入する方も少なからずいるので、意外と売れました。
そして、泣かされました。
不具合の連続です。
エンジンのパワーなどに問題があるわけではなく。
チェンオイル関連、エアフィルター、キャブレターといろいろと問題がありました。
しかも修理が滅茶苦茶しにくい・・・
対応で飛び回ったことを覚えています。
当時このチェンソーを沢山販売したお店は、このチェンソーにかなり詳しくなったと思います。(修理を沢山こなしたと思うので)
ハスクバーナのチェンソーなので335XPTは使用する人のことを考えた新しい機能を取り入れていました。
小型チェンソーでは初めてスプリング式の防振システムを採用していたのではないでしょうか。

初期型の335XPTですが、オイル調整ネジは交換しています。


見る人が見れば、わかると思います。
強引なタンクベントです。
ハスクバーナとしてはコスト削減として部品を一体化したり、エアフィルターなどスポンジを使用するなど少し失敗だったかもしれません。
修理がしにくいということは販売店が嫌うということです。
販売店が売らなくなります。
(修理をしない販売店は関係なく販売すると思いますが・・・)
私も正直懲りました。
その後後継機として333リアハンドルタイプが発売されたりしましたが、ほとんど販売しませんでした。
(ハスクバーナファンが購入するくらいでした)
339XP(排気量39cc)が発売されてもそこまで取り扱っていませんでした。
(ハスクバーナファンの方が購入するくらい)
対抗機種のMS200やG3711、E1039など比較的いいチェンソーがそろっていたので339XPがシェアを獲得する余地はなかったかもしれません。
しかし、339XPのユーザーの方が言うには使いやすい、バランスがいい、軽い、振動が少ないなど意外と高評価なのです。
(悪い面も納得しています)
私自身も339XPを持った感じが一番しっくり来る気がします。

へんてこな形ですが、なんかいいのです。
私の中では少しずつ評価が上がってきました。
沢山あった不具合も少しずつ減ってきましたし・・・(まだあるけれど)
今でも販売店の評価はかなり低いと思います。
泣かされたということと修理のしにくさというところで・・・
実店舗で近年339XPを購入された方はの評価は意外と高いです。
しかし、他店で購入した方の評価が逆に悪いのです。(他店購入品を当店で修理した際に話を聴いたとき)
なぜかなと思いました。
他店購入の方は339XPの欠点を知らないことが多いと思います。
当店では339XPの欠点や注意点を私が知っていることは必ず伝えます。
そうしないと339XPを壊したり、能力を発揮できないこともあるようです。
このブログでは欠点注意点は紹介しません。(企業秘密)
335XPTで泣かされた経験が生きてきたかな。
(私よりも339XPの欠点や注意点対処方法を知っているお店は沢山あると思います)
一つだけ紹介します。
これはハスクバーナの機械全般に言えることです。(確認済み)
ハスクバーナはニカジルメッキを使用しています。
ニカジルメッキのシリンダーは高性能でバイク車などのレースでよく使われています。
ニカジルメッキシリンダーの特徴の一つに慣らし運転が必要ないとよく言われています。
しかし、ハスクバーナの機械には慣らし運転が必要です。
2タンクアイドリングするとかいうレベルの慣らしではなく、プロの方が通常使用で2、3ヶ月であたりがでてくるそうです。
新品のときは吹けが悪く感じるかもしれません。
吹けをよくするキャブレターの調整はお勧めしません。(しばらく我慢してください)
レース用のニカジルメッキシリンダーはクロスハッチをプラトーホーニングしているのですが、ハスクバーナのシリンダーはその処理をしていないようです。
ニカジルメッキは硬いのでプラトーホーニングするコストが掛かるからなのかもしれません。
ハスクバーナのチェンソーを使用していてしばらくして吹け上がりがよくなったと感じる方がいるかと思います。
新品時にキャブレターの調整をしないほうが良いといったのにはわけがあります。
慣らしが終わり吹け上がりがよくなったときにすぐ気がつき、キャブレターの調整を元に戻すことが出来ればいいです。
気がつかないままだと過回転になり、焼きつくかもしれません。
また、吹け上がりが悪いと感じてキャブレターを調整するということは燃料を絞る方向になります。
燃料を絞るということは混合オイルの量も減ります。
注意してください。
ハスクバーナのチェンソーは購入後数ヶ月間は本来の性能を発揮できないと考えても良いかと思います。
めんどくさいチェンソーかもしれませんが、味のあるチェンソーといえるかもしれません。
使用する各個人により慣らし後のチェンソーに大きな差がでるかもしれません。
最初は無茶な使い方をせず、メンテナンスを徹底的にやり大事に使用してください。

私がチェンソーの中古をあまりお勧めしないのはこういうこともあるからです。
前の人がどんな使い方をしているかわからないというのは凄く不安です。

私が販売時の基準にしているのは個人でチェンソーを使用するならハスクバーナ、不特定多数の人が使用するならスチールと考えています。
あくまでも大まかなものです。
スチールはタフな機械。
ハスクバーナは使いやすい機械。(メンテナンスはしっかりする)
と感じています。
これもあくまでも私の主観で実際の機械がそうだとはいいません。
各メーカーとも使いやすくタフな機械になってきていると思います。
※今ふと思ったのですが、ネットショップに向いているのはスチールチェンソーかもしれません。(ある程度チェンソーを使用して来た人の場合です。)
タフなので・・・
ハスクバーナは細かい注意点を説明しなければならないかな。
あまりチェンソーを使用したことがない場合は、どのメーカーのチェンソーでもしっかり説明しなければならないと思います。(1時間弱は掛かると思います)
ハスクバーナからも新型のチェンソーがこれからでてきます。
楽しみです。
346XPは後継機がでたら販売終了になる予定のようです。
このチェンソーにも最初の頃は泣かされましたが・・・
今では目立った不具合もなくいいチェンソーだと思います。
242XPの新品346XPの新品がありどちらか選べといわれれば、私は迷わず346XPです。
346XP発売から12年ほどたちますが、早い引退だと思います。
後継機種に期待したいと思います。(新物好きなので)
オイルの調整ネジは緩めすぎると抜けて合わせネジが落ちてしまうのでそこそこにしておきましょう