スチールMS201チェンソー新発売になりました。

層状掃気エンジン搭載ですが、キャブレターはM-トロニックではなく通常のキャブレターでした。(少し気になるところがありました)
防振は2スプリング1ゴムでかなり振動は少なくなっていると思います。
まだ全部前分解していないので、詳細は分かりませんがなかなかいいのではないかと思っています。
ストップスイッチの動きなどはスムーズですし燃料キャップなどの仕組みは同じですが目印をしっかりとつけて壊しにくいようになっています。
当店ではこの燃料キャップのしめ方のコツをしっかり説明しています。
(メンテナンスや注意点もあります)
大阪でのスチールキャンプでピストン、シリンダー、クランクなどの写真を撮っていたのですが、ピンボケでした。[:悲しい:]
MS211と同じ35ccクラスですが、ピストン、シリンダーはまったく別物でした。
先導空気を送り込むピストンの形状も違いました。
かなり手の込んだつくりですね。
シリンダーのほうもMS211はライナーを打ち込んで掃気ポートなどを仕切っていました。
MS201もライナー式でしたが、シリンダーの外側にも先導空気の通り道を作っています。
シリンダーの冷却フィンは大きくシリンダーヘッド側にもフィンがついています。
ガソリン冷却ができないので冷却には気をつけなければならないでしょう。
(きれいに掃除する)
いやーしかし、スチールはほんとに部品がきれいです。
見た感じだけの評価ですが、一つ一つの部品の剛性が高いような気がしてしっかりしているような気がします。
クランクケース、クランク、ピストン、シリンダー
ここまでのつくりで79800円はすごいと思います。
気になるのはザマキャブレターだけです。
ウォルブロのM-トロニックキャブレターにしてほしかったなー。
エンジンの耐久性やパワーなどはこれから実際にユーザーさんが使用してから分かっていくと思います。
それと表題にありましたスターターです。
MS201のほうは通常スターターとエルゴスターター(ダンパスプリング補助付)両方がラインナップされています。
MS201Tはエルゴスタートのみです。
本国にはMS201Tにも通常スターターがあるのかもしれません。
スチール社も通常スターターをなくさないということは、エルゴスターターの耐久性が弱いと感じているからでしょう。
しかし、このクラスのチェンソーは女性などのユーザー層も考えているのでスターターの引きやすさ、エンジン始動しやすさを考慮しているのでしょう。
エルゴスターターにはパージポンプもついているので、チョーク時の初爆も2~3回スターターを引けば起こるはずです。
通常スターターならば5~6回スターターを引けば初爆が起こると思います。
パージポンプがついていることでエンジン始動時以外でもメリットはありますが、チェンソー使用時の注意点が分かっている方にはついていなくてもあまり問題ないと思います。
35ccクラスのチェンソーなのでスターターはそんなに重くありません。
成人男性で肩など痛めていなければ通常スターターでいいと思います。
チェンソー初心者の方や年配の方にはエルゴスタートをお勧めします。
当店のお客さんの中でも肩を痛めている方もいますがその方たちの評価はエルゴスタートのほうがいいとのことでした。
今まで私が「スターターについて」ダンパスプリングについて書いてきました。
私はダンパスプリングがついているスターターはあまり好きではありません。
部品点数が多くなり壊れるからです。
(修理屋としては壊れないほうがいい)
今度のMS201のエルゴスターターは以前のものよりよくなっていると思います。
これから書くことは私の思っていることなので私の独断になります。

パッと見は今までのエルゴスタートと変わりなく見えます。

今見えているゼンマイはリコイルゼンマイではありません。

ダンパスプリングがゼンマイ式になっています。
これでダンパスプリングの巻き込みはなくなると思います。
しかしゼンマイ式でも巻き込みが強いとゼンマイの端が折れたりして壊れてしまいます。
ゼンマイ式は折れるとローターごとの交換になります。
(バネ式は折れたバネだけの交換で済む)
MS201は強い力で引いても巻き込み過ぎないようになっています。

青い矢印部分がその仕組みです。スターターを引くとローターが時計回りに回転します。(赤い矢印方向)
スターターを強く引いてもローターが約一回転してカムの側のストッパーに当たります。
それ以上ダンパスプリングを巻き込み過ぎないようになっているようです。
不要な力がダンパスプリングに掛からなくなるので長持ちするのではないでしょうか。
それとこれは私の予想なのですが、ダンパスプリングが折れてもストッパーに掛かるのでスターターは回せるのではないでしょうか。
(折れたスプリングが邪魔をすれば別ですが)
これはいいシステムだと思います。
これは追加ですが、今のMS192などでも下写真のようにリコイルゼンマイの端がネジ止めされています。

これはリコイルゼンマイを薄くしたのでここから外れてしまうという故障が起きました。
フック状に引っ掛けるところを作っていましたが、それでも外れることはありました。(数年前ユーザー・サポート・ページで紹介済み)
それからこのようにネジ止めするようになりました。MS200やMS192でも数年前からネジ止め式です。
ネジ止め式でないものでも外れない場合もあります。
リコイルゼンマイが外れるという方はやはり力が強い方達でした。
そういう場合は外れないように細工していました。


細い針金で押さえました。
(きれいな仕事とはいえませんが外れないようになります)

表側から見たところほとんど分からないと思います。
この細工の注意点は針金、特に針金の端が他のものに触れないようにすることです。
触れてしまうと故障の原因になります。
それとリコイルゼンマイが壊れた際にリコイルゼンマイが交換できるように考えてください。
スチールMS201当店でも展示しています。
アフターサービス付で79800円です。
それではまた。
MS241のキャブレターについてですが、燃料が通る経路をキャブクリーナーで洗浄することは問題がないそうです。
ただ注意してほしいのは電子部品にキャブクリーナーが掛からないようにしてください。
MS241はエンジンの始動性は高いので、エンジンが掛からないということは何か他に原因があるかもしれません。
もしキャブレター内に水などが入っていた場合は速やかにキャブレターを分解洗浄しなければ、キャブレター内がさびてしまいます。
ご購入店で点検してもらうことをお勧めします。
MS200はメーカー在庫が終了しました。
当店でもMS200、MS200T在庫は1台ずつになりました。
小型でタフなチェンソーでした。