エンジンのかかりが悪いということで修理に入ってきました。

シリンダー燃焼室内側上にカーボンが張り付いています。
ところどころ剥がれ落ちています。
奥に見えるのはプラグの電極です。

ピストンは黄色いねっとりとしたもので汚れていました。
すり減っています。
クランク室内は固形物のカーボンとやはり黄色いねっとり物質。
匂いもきつかったです。
シリンダーはカーボンを削り落としてきれいにすれば再使用できると思いますが、ピストンは交換します。
(本当はシリンダーも交換したい)
今回のケースはもう一つ不安があります。
カーボンの固形物がクランク室にも大量に混入していました。
(他の汚れかもしれませんが)
各部のベアリングが傷んでいる可能性もあります。
クランクシャフトのベアリングは交換できません、クランクシャフト一式の交換になります。
それを考えると修理をやめたほうがいいかもしれません。
このようにカーボンがたまるのはいろいろ原因はありますが、一番多いのははやり粗悪な燃料(古い燃料)
それと粗悪な混合オイルです。
ガソリン自体は日本の場合、品質が非常に高いのでどこのガソリンスタンドで購入しても問題ないと思います。
ただし、混合ガソリンとなると話は違ってきます。
ハスクバーナやスチールなどのチェンソーメーカーが出しているオイルを使用して混合ガソリンを作り販売しているガソリンスタンドさんもありますが、安い混合オイルを使用しているガソリンスタンドさんもあります。
また、販売店でも混合ガソリンを1Lとか4Lで販売しているところもありますが、これにも注意が必要です。
お勧めはこれもチェンソーや刈払機メーカーが出している混合ガソリンです。
しかし、価格は1Lで1000円前後します。
逆に1Lで1000円前後であれば安心できるかもしれません。
ゼノアややまびこ(新ダイワ)などから出している混合ガソリンならば安心できると思います。
面倒かもしれませんが、ガソリンスタンドでガソリンを購入しそしてご自身で混合オイルを混ぜて混合ガソリンを作ることをお勧めします。
当店がお勧めできるものは、スチールであればHPウルトラ、HPスーパー、HPの3種類まで、ハスクバーナはLS50:1オイル、やまびこ50:1オイル、ゼノア50:1オイル、40:1オイルくらいです。
オイルに関してはまた別の機会に書いてみたいと思います。
作る際の注意点は、調合の比率を間違えない、1ヶ月くらいで使い切るくらいの量を作る。(保管時は完全密閉で冷暗所)
当然使用するガソリンは新しいものにしてください。
古いガソリンにいい混合オイルを混ぜてもいい燃料とは言えません。
燃料の品質には十分注意してください。
キャブレター分解洗浄工賃は当店では4000円ほどです。
最高級50:1オイルが買えてしまいます。
話は変わります。
この機械はプロ用です。
しかし、

シリンダーとクランクケースを止めるボルトは2本です。
プロ機としてはいい機械でしたが、この部分の抑えが甘くガスケットが破損してここから燃料を吹いたり、ひどい場合は焼き付いたりしていました。
また、この写真は珍しいことが起こっています。
組み立てが悪かったのでしょうが、ガスケットが掃気ポート側に変形しています。
掃気ポートを少し塞いでしまっていたようです。
パワーとか吹け上がりとかどんな感じだったのでしょうか?
ガスケットはメタル系がいいのでしょうか?
ある程度燃料にはお金をかけたほうが、機械の故障が少なくなりコスト削減につながるかもしれません。
また、燃料を大量に使用する会社などは、層状掃気エンジンなどの排気ガス規制対策の機械を使用することも一つの方法だと思います。
燃料の消費量が少ないのでいいと思います。
台数が増えればそれだけコスト削減になるかと思います。
それと刈払機においては、賛否両論あるトリガーレバーのスロットル。
これも固定式に比べると燃費が良くなるといわれています。
それではまた。
昔に比べるとカーボンの堆積は少なくなってきたと思います。
しかし、クランク室の汚れが多くなってきているような気がします。
排気ガス規制のエンジンになりオイルに求められる性能は高くなってきています。
燃料の良し悪しでエンジンの性能が変わってくると思います。
それではまた。