ハスクバーナ339XPチェンソーについてです。
昔から気になっていたことをこの間でき杉さんが解消してくれたので書いてみる事にしました。
焼き付きの修理があったのでそれも紹介します。

でき杉さんが取材に来てくれたのはもう2か月も前になります。
もっと早く書こうと思っていたのですがなかなか書くことができませんでした。
ハスクバーナ339XPは排気量39ccあります。
そしてニカジルメッキシリンダーでクローズドポートです。
(プラトーホーニングしていないのか最初はいまいちだったりする)

当時私は排気量40cc以下ではパワーある方だと思っていました。
これはハスクバーナXPだし構造上もパワーの出るシリンダーなのでそう思っていました。
ただ、数人のお客さんから言われたことがあります。
ゼノアG3711の方が強いと・・・
確かにG3711はすごくいい機械です。名機と言っていいと思います。(パワー、耐久性、使いやすさ高いレベルだったと思います)
しかし、G3711はシリンダー構造がオープンポートで排気量も37ccです。
私は339XPの方がパワーだけは上だと思っていました。
しかし、数人のお客さんからG3711の方が強いと言われた時は・・・
排気量も大きくてシリンダーの構造もクローズドポート、マジで負けてるのか~と思っていました。
確かにゼノアG3711良いチェンソーです。当時信頼性という面ではずば抜けていたと思います。(このクラスで)
ハスクバーナ339XPシリーズは確かにいろいろと問題のあるチェンソーでしたが、エンジンパワーだけはあると私は思っていたのでいままで悶々としていたのです。
でき杉さんと話をしている時にでき杉さんがG3711を所有していることを知り、339XPとどちらがパワーがありますかと聞いてみたところ339XPですということでした。
何故ですかと聞くと、チェンソーアートで縦挽きするときに339XPの方がパワーがあるなと感じるそうです。
やはりそうですかーという感じでした(笑)
縦挽きはチェンソーにとって過酷な作業になります。
その作業で出木杉さんがそう感じるのならば、やはり339XPの方が力は強いのだろうと思いました。
シリンダーの構造、排気量の差、ハスクバーナのXP、安心しました。
当店のお客さんの場合は、339XPにすでに経年劣化などのダメージがありパワーの差を感じていたのかもしれません。
または、339XPはニカジルメッキなのでならしがすむまで数か月かかります。
その時期と比較するとパワー不足を感じるかもしれません。
話は変わります。
ある作業をしていて焼きついた339XPの修理がありましたので紹介します。
ハスクバーナLSオイルを使用していても焼き付いてしまいました。
ハスクバーナの石川さんが言っていたことが良くわかりました。

339XPすごく凝った作りをしていると思います。
当時としては一番凝っていた作りかもしれません。
今は層状掃気エンジンがあるのでさらに複雑なものもありますが。

見事にピストンに傷がついています。

シリンダーにも傷ありです。

339XPはクランク室が上下二分割になります。
335XPの時代は液体ガスケットを使用していましたが、組み立て時の作業の良し悪しで不具合がでます。(断言してしまった)
今現在の339XPはコストがかかるかもしれませんが、その不具合を無くすために3Dのガスケットとベアリングとオイルシールに特殊な加工をしています。


修理するときも液体ガスケットではないので、作業は楽です。
このように上下二分割で液体ガスケットを使う場合は、修理する人の知識と丁寧さでその後が変わってきます。
オッとこれ以上書くとまた情報の垂れ流しになってしまいます。
きちんと修理もできる販売店さんに怒られてしまいます。(笑)
日本全国には当店よりも修理の上手な所たくさんあると思います。
修理をたくさんこなして、新しい技術を勉強していると思います。
話は変わりますが、当店と取引のある販売修理の販売店さんが休業するかもしれません。
並行輸入品やらネットショップで購入した修理が多かったようです。
修理だけでやっていけるほど修理代金を取れればいいのですが、なかなか難しい業界です。
また一つ修理のできるお店が減るかもしれません。・・・愚痴っぽくなりました。
チェンソーや刈払機の修理、いや分解組み立ては手先が器用な方なら全分解組み立てできると思います。
ただ、分解組み立てと修理は少し違います。
修理は故障の原因を見つけて正常にしなければなりません。
ちょっとした経験や知識で同じ修理をしても壊れやすい修理だったり壊れにくい修理だったりします。
私でも得意な機種の修理、得意でない修理とあります。
皆さんの近くに修理のできるお店があれば一度覗いてみてはどうでしょうか。
修理については書き出すと止まらないのでこの辺にしておきます(笑)
大分話がそれてしまいましたが・・・
ハスクバーナ339XPは335XPTというトップハンドルチェンソーから派生して出てきました。
当時の335XPTは今思うと人間工学を考えたつくりだったのだと思います。
重量バランスを考えたエンジンレイアウト(エアフィルターの位置が弱点になりましたが)
それとスプリング防振を取り入れた初めての小型チェンソーだったと思います。
分解修理が非常に大変で、修理の勉強をたくさんさせてもらった機械でした(笑)
チェンソーは壊れないに越したことはありませんが、問題のあるチェンソーが修理屋を育てるという一面もあるかと思います。(笑)
今もどこかで問題のある機械で勉強してい修理屋さんがいるかもしれません。
頑張ってください。
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